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安藤美姫「諦めないことの大切さ伝えたい」

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ソチ五輪代表最終選考会となるフィギュアスケートの全日本選手権(21~23日、さいたまスーパーアリーナ)で、安藤美姫(26、新横浜プリンスク)が3度目の五輪出場に挑む。4月に女児を出産し、9月に3季ぶりに競技復帰。ブランクを乗り越えて五輪を目指せるところまで状態を戻してきた元世界女王が、復帰までの道のりや育児との両立、スケートへの思いなどを語った。

体力や筋力戻すのが一番大変だった

――9月末に復帰しておよそ3カ月。一時は全日本の予選突破も危ぶまれたが、12月上旬にクロアチアで行われた国際大会ゴールデンスピンでは、合計176.82点で今季自己ベストをマーク、手応えをつかみ始めている。

「クロアチアの試合はすごく安心したというか、まだまだ2年前の100%と比べれば全然体力は戻っていないけど、自分の中でここまで全日本の前にいい試合ができると思っていなかった。世界のトップ選手が多くて、そういう雰囲気のなかで滑ったのも、いい刺激というか試合自体楽しめた。すごく意味のある試合だった」

「(クロアチアから帰国後の練習で)腰から背中にかけての筋肉をひねったけど、病院やトレーナーの先生も来てくださって治療やケアができた。思ったより回復も早い。練習もルッツジャンプ以外は痛みも出ずにできているので安心している」

――4月に女児を出産し、今季は3季ぶりの復帰となった。

「体力とか筋力を、4分間滑りきるまでに戻すのが一番大変だった。試合に対する気持ちの持っていき方は全然大丈夫だったけど、頭と体がついていかないというか、頭では疲れていないと思っていても、体に出てしまうことがあった。試合とか練習をすると急に体調が優れなくなったり、病気ではないけど風邪の症状が出るとか、試合のあとに1週間くらい動けなくなったりしたこともあった」

「病院で心電図や血液検査も全部して、全て健康ということなので原因は分からない。女性は一般の方でもホルモンのバランスが崩れたら体調が悪くなることもあると思うし、出産(の影響)というのはあると思う」

自分が選んだ道、すごくよかったと思う

――女児出産を公表して、アスリート以外の面でも注目を浴びた。

「18歳のときから、自分はそういう環境に早いうちからあったと思う。今回は自分が歩んでいきたいと思った道の答えが、今の自分の状況だと思うので、いろいろなことが起きるだろうとか、いろいろな意見があるだろうとか、そういうことは常に頭の中にあった。もちろん疲れたり、考えたりして、ストレスはあったかもしれないけど、慣れている感じはある」

――スケートの楽しさをまた発見した。

「春先に2回転ジャンプから始めて、3回転を跳べるようになった時の喜びは大きかった。全日本までに3回転―3回転を入れるという目標はあったけど、本当に入れられるかと言われれば、(11月の)東日本選手権の時点では無理かなと思っていた。ここまで戻せるとは予想していなかった。簡単ではないけど、毎日いろいろな意味でスケート、プライベートとも充実していたので、今は自分が選んだ道はすごくよかったと思う」

練習から帰って見る娘の笑顔が励みに

――復帰してから一番の支えになったものは。

「やっぱり娘ですかね。練習中に何回も何回も諦めよう、ギブアップしたいと思った時がすごくあった。でも、リンクから帰ると、彼女がまだしゃべれないので表情とかしか見られないけど、笑っていてくれたりすると、やっぱり自分の出した選択を諦めるのではなくて、結果がどうであれ、やることに意味があると思った」

「諦めないことはすごく大切なことだと伝えたい。自分が歩んできた道というのを、彼女が大きくなった時に、自信を持ってスケートの素晴らしさを伝えられると思う。あとは出産という答えを出して、それでもスケートをやりたいという挑戦を、理解して支えてくれるトレーナーの方とか、もちろんコーチたち、あとは応援してくれている方たちへの感謝の気持ちが支えになっている」

「スケートだけ」は嫌、育児も自分で

――スケートと育児を両立している。

「リンクの上にいるときと春先のトレーニングを除けば、自分が全部やっている。午前の練習中は母が見てくれていて、帰ったら自分でミルクを作ったり、離乳食をあげたりとかしている。午後に練習がある時は、また母に預けて、帰ったら自分でやって」

「春や夏は夜泣きもするし、夏は2、3時間おきに毎日起きて一番大変だった。娘を預けた方が体は楽だったろうし、自分の疲れがとれるのは早いと思うけど、そういうのは自分が許せなくて。自分の娘だし、なるべくそばにいたかったし、『スケートだけ』と言われるのがすごく悔しかったというか、絶対に嫌だった」

――スケート人生を振り返ってどうか。

「一番楽しいのはリンクの上に立てること。ショーは特にそうだし、気持ちいい。今は試合も楽しみにしている。つらかったのは、複雑だけど(世界で)1位になったこと。気持ちの持っていき方が難しかった。チャンピオンになり、もちろん喜びもあるけど、よい演技を見てほしいのに、結果を見る方が大半だと思うので。自分が求めているものと違うなというのはあった」

「人生全体でいうと、幸せだと思えたのはスケートに出合えたことで、自分の人生の中ですごく大きな意味があった。つらかったのは、(幼いころに)父が事故で亡くなってしまったこと。急にいなくなっちゃったので。今いたらどんな会話をしているかなと思う。自分が弱くなったときに『力を貸してください』と空を見てしゃべりかけることもある」

せっかくの全日本、納得できる演技を

――五輪代表選考会の全日本選手権が間近に迫っている。

「変なストレスとかプレッシャーとか全然なくて楽しみ。日本のトップスケーターたちと同じリンクに立てるのは素晴らしいことだと思う。そういう雰囲気の中で滑ることができるのはワクワク感というか。(競技をしていた)2年前はやっぱり緊張してピリピリしていたので、神経がとんがっていたけど、今はそんな感じはなくてちょっとリラックスしていて、毎試合毎試合すごく楽しみ。2年前は失敗する気がしなかった。今年はまたちょっと不安の方が大きいけど、せっかくここまで戻って全日本にも出させていただけるので結果がどうであれ納得できるようにしたい」

――演技を通して一番伝えたいことは。

「出産を経て思ったことしか言えないけど、(復活は)春先、夏は『無理だろう』という人が多かったと思う。『もう跳べないだろう』『4分間踊れないだろう』とか8割の方が多分そう思っていた。だけど、短期間で戻せる限界レベルまで自分はやってきた。やっぱり諦めずに自分の道を歩んでいけば、限界はあるかもしれないけど、無理なことはないと思う。ここまできちっと戻せたことは、胸を張ってもいいと思う」

――全日本の目標は。

「腰のけがを治して万全で臨むこと。あとはショートプログラム(SP)とフリーでクロアチアくらいの演技かそれ以上のものが皆さんの前で滑れたら、自分はそれでたぶん満足だと思う。自分のベストを尽くすことがシンプルだけど目標」

サポートしてくれた方の夢かなえたい

――ソチ五輪は。

「全然考えていない。優勝しないとソチに行けないと言われているので。40%くらいの確率で行けるかもしれないけど、望みは小さいかなと思う。(全日本で)ベストを尽くせば自分としては満足だけど、願いとしてはやっぱりここまで自分の決断を受け入れてサポートしてくれている方が本当に多いので、その人たちの夢を一緒にというか、その人たちの夢をかなえられたらいい」

――今季限りでの引退を表明している。

「気持ちは今は変わらない。でも、毎日気持ちは変わるので、その時の状況、もしかしたら、お休みしてまたやりたいと思うかもしれない。今は今年が最後かなと思う」

将来は夢を子供に与えられるコーチに

――将来については。

「コーチになりたい。門奈裕子先生に出会って、9歳でスケートの大きな夢、コーチになりたいという夢を持たせてくれた。夢を子供たちに与えられるコーチになりたい。先生みたいな先生になるのが夢で、それが自分が初めてスケーターとして持った夢だった」

「スケートをもっと気楽に楽しみ、みんなに親しみを持ってもらいたい。スケートは独特で、エリートしかできない印象がある。そうではないと思う。本当に楽しんで、本当に好きにならないと、上手にならないし、やっていても毎日同じことの繰り返しになる。それだと、演技力とかに支障が出てくるし、スケートの良さもわからずにやめたり、嫌になる子が少なくなればいい」

(金子英介)

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