堺屋太一さん 「ワクワク」再び日本に
2025年万博、大阪誘致へエール
通商産業省(現・経済産業省)で70年の大阪万博の誘致にかかわった。テレビが普及した当初と今では情報ツールの進化は比べものにならない。25年万博は世界中の人が五感をフルに使って新しい体験を楽しむ場にしてほしい。冒険的な計画を打ち出せば、前回の万博で活躍した岡本太郎さんらのような人材の発掘にもつながる。
経済の低成長下で、近年は人々の意欲まで後退していると感じる。安全安心や清潔さは日本の強みだが、万博をきっかけに日本を再び意欲あふれる楽しい社会にしたい。言い換えれば「面白くてワクワクする日本」だ。
万博は興行であり、参加国の財政負担は少なくない。日本は発展途上国向けの資金支援を打ち出しているが、参加に伴う経済効果をもっとアピールすべきだ。万博の来場者だけでなく、今後も増加が期待される訪日客を通じて各国の魅力が世界に伝わる効果は大きい。「大阪万博は自国の観光振興にも役立つ」と訴えるのも、誘致を勝ち取る大きな一押しになる。