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南米の成長株ベネズエラは格好の力試しの相手

サッカージャーナリスト 大住良之

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ベネズエラには「南米サッカー連盟(CONMEBOL)加盟の10カ国で唯一」という事柄が3つある。

第1は唯一、北半球だけに国土をもつ国であるということ。他の9カ国のうち、エクアドルとコロンビアとブラジルは赤道をまたぐ形で国土が広がり、残りの6カ国はすべて南半球に位置する。

第2はCONMEBOL加盟国で唯一、ワールドカップ出場がないことだ。ベネズエラは1966年イングランド大会からワールドカップ予選に参加しているが、予選を突破したことが一度もない。

そして第3は南米で唯一、サッカーが最も人気のあるスポーツではないという点である。この国のナショナルスポーツは野球であり、次いでバスケットボールの人気が高いという。

現在、FIFAランキング50位。岡田武史監督率いる日本代表は2月2日、そんなベネズエラ代表と大分で対戦する。

野球がナンバーワンの国

ベネズエラは南米大陸北端の国。カリブ海に面し、西部から北部にかけてアンデス山脈の北端が走り、西から東に向かってオリノコの大河が流れ、大西洋に注ぐ。面積は約91万平方キロ、人口は約2800万人。石油、天然ガスを中心に鉱物資源の宝庫と言われ、チャベス大統領が率いる現政権は反米路線をとっているものの、最大の貿易相手は米国で、輸出の大半は石油に頼っている。

この国で野球がナンバーワンスポーツとなったのは地理的な近さだけでなく、経済的に密接な米国との関係の歴史がある。

ベネズエラのサッカー協会は1926年に誕生したが、その活動の舞台は長い間カリブ海地区に限られ、CONMEBOL(1916年創立)に加盟したのは10カ国の中では最も遅く、1952年のことだった。FIFAにも同年に加盟した。

ニックネームは「赤ワイン」

「Vinotinto(ビノティント=赤ワイン)」。それがベネズエラ代表のニックネームだ。国旗はかつてともにひとつの国だったコロンビア、エクアドルと同じ「黄色・青・赤」だが、サッカーのナショナルチームは伝統的にエンジ(赤ワイン色)のユニホームを着てきた。

だが、ほんの10年ほど前まで、このユニホームは南米の他チームにとって「ごちそう」のような存在だった。「サッカーのプレーの仕方を知ってるかい?」などと揶揄(やゆ)されたことも少なくなかったのである。実際、ブラジルやアルゼンチンとの対戦では4、5点取られて当然だったし、アルゼンチンに0-11で敗れたこともあった。2000年1月のFIFAランキングは110位(日本は58位)だった。

「ワールドカップまであと一歩」

だが、01年1月に就任したリチャード・パエス監督の下、ベネズエラ代表は長足の進歩を遂げた。ワールドカップ98年大会から始まった南米の「全チーム総当たり予選」の数字を見るだけで、ベネズエラの躍進ぶりを知ることができる。

98年大会予選(前回優勝のブラジルを除く9カ国が出場)では16戦0勝3分け13敗、勝ち点3で最下位。しかし02年大会予選(10カ国)では18戦して5勝1分け12敗、勝ち点16で9位。06年大会予選(10カ国)では18戦して5勝3分け10敗、勝ち点18で8位。

そして2010年大会予選(10カ国)では18戦して6勝4分け8敗、勝ち点22で8位。順位こそ10チーム中8位だったが、プレーオフの末に出場権を得たウルグアイ(5位)とは、勝ち点でわずか2の差しかなかった。ベネズエラは「ワールドカップ出場まであと一歩」のところまできているのだ。

パエス監督から若いファリアス監督へ

01年に就任したパエス監督が説いたのは、とにかく集団でプレーすること。野球が盛んなスポーツの文化からか、ベネズエラでは個人のパフォーマンスに走る選手が多かった。それをチームプレーに徹しさせたのである。

ナショナルチームの成績が良くなり、強豪国と接戦を演じるようになると、ファンも熱狂し、少年たちの夢も変わってきた。かつては野球でメジャーリーグに行くことが多くの少年の目標だったが、それが「ワールドカップに出場すること」に変わってきたのである。ベネズエラのサッカーは10年前と大きく違う。今ではナショナルチームは国民的な関心事になっているのだ。

07年11月、10年ワールドカップの南米予選を4試合終えた時点でパエス監督が辞任すると、ベネズエラ・サッカー協会は34歳のセサル・ファリアスに後を託した。

ファリアスは才能あふれる選手だったというが、プロとしての経歴はなく、19歳で指導者になることを決意。ユースの指導から始めていろいろなクラブで成功し、その手腕を認められて08年1月にベネズエラ代表監督に就任した。

ウルグアイ、チリ、ブラジルと引き分ける

そのファリアス監督がヌエバ・カディスというクラブを率いていたときにユースからトップチームに引き上げ、その抜群の得点力でクラブに2部優勝をもたらし、1部に昇格させる立役者になったのが当時18歳、左利きの攻撃的MFフアン・アランゴだった。

アランゴは20歳でメキシコのクラブに移籍、04年、24歳でスペインのマジョルカに移籍してスターとなり、09年夏にはドイツ・ブンデスリーガのボルシア・メンヘングラードバッハに移籍して中心選手として活躍。「ベネズエラ・サッカー史上最高のプレーヤー」と言われている。

このアランゴを中心とした攻撃陣こそ、ファリアス監督指揮下のベネズエラ代表を活気づかせ、ワールドカップ予選終盤の快進撃の原動力となった。08年は苦労したファリアス監督だったが、09年に入ってからの8試合は3勝3分け2敗。アルゼンチンには0-4で敗れたものの、コロンビアに2-0、ボリビアに1-0と連勝し、ウルグアイ(2-2)、チリ(2-2)と2引き分けをはさんでペルーに3-1で快勝。パラグアイにホームで1-2の敗戦を喫したのが大きな痛手となったが、最終戦はブラジルとアウェーで0-0の引き分けを演じている。

04年に日本のオリンピック代表と対戦

ベネズエラ代表の来日は2回目。だが、日本代表との対戦は今回が初めてとなる。04年7月に最初の来日をしたときには、アテネ・オリンピックを目前にしたU-23日本代表(山本昌邦監督)と対戦した。

7月30日、東京・国立競技場での試合はU-23日本代表が4-0で勝った。当日出場したメンバーには田中マルクス闘莉王(浦和、現在名古屋)、徳永悠平(早大/特別指定選手としてFC東京でもプレー、現在FC東京)、駒野友一(広島、現在磐田)、阿部勇樹(市原、現在浦和)、今野泰幸(FC東京)、石川直宏(FC東京)、大久保嘉人(C大阪、現在神戸)、そして平山相太(筑波大学、現在FC東京)と現在の日本代表8人が含まれていた。得点者は大久保、平山、高松大樹(大分)、田中達也(浦和)だった。

ベストメンバーには遠いが…

04年の来日に続き、今回も、残念ながらFIFAの「インターナショナル・マッチデー」の試合ではないため、ベストメンバーというわけにはいかない。アランゴをはじめとした「ヨーロッパ組」(10人ほど)が加われず、ただ一人、ノルウェーのバレレンガというクラブでプレーするDFフエンマジョルが、米国のコロンバス・クルーに所属するFWレンテリア、同じく米国のフィラデルフィア・ユニオンでプレーするFWモレノとともに加わっている。

今回のベネズエラ代表は昨年度チャンピオンクラブのカラカスFCとデポルティーボ・アンソアテギを中心にしたチーム。昨年12月に終了したリーグ前期の優勝クラブ、デポルティーボ・タチラの選手たちは、2月2日にリベルタドーレス杯(南米クラブ選手権)の予備戦があるため、参加していない。

ベネズエラ代表100回以上のDFレイ

主力を欠くベネズエラ。日本戦は11年(6月15日-7月15日)にアルゼンチンで開催されるコパ・アメリカ(南米選手権)、そして14年にブラジルで開催されるワールドカップに向けての「再スタート」の1戦である。この遠征に若手を何人も連れてくることができたのは、ファリアス監督にとって大きな意味をもっているに違いない。

そして選手たちも「ヨーロッパ組がいない機会に力を示したい」と、高いモチベーションを持ってこの試合に臨むことだろう。若手が多いといっても、チームの中核を占めるのは、ワールドカップの南米予選を戦い抜いたベテランだ。なかでもセンターバックのレイは、ベネズエラ代表100回以上の経歴を持っている。

激戦区南米で急激に成長を遂げ、ワールドカップ予選突破まであと一歩と近づいたベネズエラは、「ベスト4」を目指す日本にとって格好の力試しの相手となるはずだ。

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