「歴史に残る大きな政治家」 世界から追悼の声
サッチャー元英首相死去
サッチャー元英首相の死去を受けて、世界各国から同氏の功績をたたえる声が相次いだ。
中曽根康弘元首相は8日、「第2次世界大戦後、自由世界でレーガン元米大統領とともに記憶されるべき政治家で、旧ソ連に対抗し、自由世界が協力団結すべきことを訴えた傑出した政治家だった」との談話を出した。
「日本企業がトルコのダーダネルス海峡で仕事をとったとき、サミットの会合で『あれは欧州の企業がとるべき範囲だ』と私の席まで告げに来たことを思い出す。心からご冥福をお祈り申し上げます」とも記した。
ゴルバチョフ元ソ連大統領は「初めて1984年に会って以来、サッチャー氏とは人間関係をはぐくみ、それにより高まった相互理解が東西冷戦の終結につながった。歴史に残る大きな政治家だった」と語った。
キッシンジャー元米国務長官はCNNに対し「(サッチャー氏は)米国にとって信頼できる心強い盟友だった」と述べた。サッチャー氏は冷戦終結への先見の明を持った最初の指導者の一人だったとも指摘。「一般的なイメージとは異なり、非常に暖かい人物だった」とも語った。
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各国の現役リーダーもサッチャー氏の死去を悼んだ。日本の安倍晋三首相は「意志の力を身をもって示した偉大なリーダーであり、国家国民のためにすべてをささげた尊敬すべき政治家だった。英国民と深い悲しみを共にしたい」とのコメントを発表。
オバマ米大統領は「世界は偉大な自由の闘士を、米国は真の友人を失った」と追悼する声明を発表した。「彼女は破れない『ガラスの天井』はないという見本を我々の娘たちに示した」と指摘。「レーガン元米大統領と共に、我々は信念と不屈の勇気、鉄の意志によって歴史の潮流を作ることができるのだと世界に知らしめた」とたたえた。
オランド仏大統領は声明で、フランスとの率直で誠実な関係を持続させたと評価したうえで「国の利益を思い、首相の職についている間、多くの仕事をやり遂げた」と述べた。