ロシア・カザフの関税同盟 ベラルーシも参加
【モスクワ=石川陽平】ベラルーシは6日からロシアとカザフスタンが1日に発足させた域内のモノの移動を自由にする関税同盟に参加する。関税同盟の執行機関の委員長を務めるシュワロフ・ロシア第1副首相は5日、資本と労働力の移動も自由にする「統一経済圏」創設について「2012年1月までにすべての協定が発効するよう各国の大統領から指示された」と記者団に語った。
ベラルーシ、ロシア、カザフスタンの旧ソ連3カ国は5日、域内の税関手続きと関税を撤廃し、第三国からの輸入に関する関税手続きを共通化する税関基本法を発効させるとの共同声明を発表した。今後、関税同盟を発展させて経済統合を進める予定だが、各国の利害が複雑に絡むだけに実現は不透明な面もある。
ロシアなど3カ国は今年1月から関税同盟の発足に向けた準備を進めていた。ベラルーシはロシアのベラルーシ向け原油・石油製品供給にかかる輸出税の即時廃止を求めて税関基本法への署名を拒否していたが、方針を転換した。域内の経済活動を活発にする関税同盟への参加が国益にかなうと判断したとみられる。
カザフの首都アスタナで5日開いたユーラシア経済共同体の首脳会議では、タジキスタンとキルギスも関税同盟参加に関心を示した。旧ソ連5カ国による関税同盟は各国の世界貿易機関(WTO)加盟交渉に影響を与えるとの指摘もあるが、シュワロフ氏は「ロシアは今後数週間で(WTO加盟交渉での)すべての意見相違を取り除ける可能性がある」と述べた。