政府、トルコと原子力協定締結で実質合意 原発輸出へ一歩前進
外務省は23日、トルコとの原子力協定の締結で実質合意したと発表した。東京電力福島第1原子力発電所事故後の原子力協定締結の合意は初めてで、日本からの原発輸出に向けて一歩前進する。両国で国会承認を経て発効する。
原子力協定は輸出した原発を相手国が軍事に転用したり、第三国に移転したりするのを防ぐ法的な枠組み。発効すれば原発輸出に加え、原子力の技術移転や人材育成が可能となる。
トルコは黒海沿岸に出力140万キロワット級の原発4基の建設を計画中。エネルギーの海外依存を減らすのが目的で、日本の企業と原発プラントの商談を進めていたが、福島原発事故で見通しが不透明になっていた。
建設計画には韓国がライバル企業に挙がっていたが、トルコ側は技術力が高い日本の参加を求めていた。協定の正式合意後、発効には国会承認が必要になるが、発効すれば日本企業の受注環境が整うことになる。
原子力協定を巡っては、日本政府は現在、インド、ブラジル、アラブ首長国連邦(UAE)、南アフリカの4カ国と交渉中。昨年末にはベトナム、ヨルダン、韓国、ロシアとの原子力協定が福島原発事故後、初めて国会承認され、ロシア以外の3カ国とは発効済みとなっていた。
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