裁判員裁判の死刑判決破棄 長野一家殺害で東京高裁
2010年3月の長野市の一家3人殺害事件で強盗殺人と死体遺棄の罪に問われた会社員、池田薫被告(38)の控訴審判決で、東京高裁(村瀬均裁判長)は27日、裁判員裁判で死刑とした一審・長野地裁判決を破棄し、無期懲役を言い渡した。控訴審が裁判員裁判の死刑判決を破棄したのは3例目。
村瀬裁判長は池田被告の関与について、犯行を主導したとされる伊藤和史被告(35)=一、二審死刑、上告中=から事件当日に急きょ呼び出され「突発的に犯行に巻き込まれた」と認定。殺害について「池田被告が主体的に犯行に加わったとする一審の判断は誤っている」とした。
共犯者間の刑の均衡の点でも、伊藤被告らとは「役割も意図の程度も明らかに違いがある」と述べ、一審判決を「複数の重要事実の認定を誤った結果、死刑もやむを得ないと判断した点で不合理」と批判した。
青沼隆之・東京高検次席検事の話 判決内容を十分に精査・検討し、適切に対処したい。