2人の死刑執行 2カ月連続
法務省は27日、死刑囚2人の死刑を執行したと発表した。執行は8月3日以来、2カ月連続で、滝実法相の就任後2回目。執行されたのは江藤幸子死刑囚(64)=仙台拘置所=と松田幸則死刑囚(39)=福岡拘置所=の2人。この日の執行で、野田佳彦内閣で執行されたのは計7人となり、未執行の死刑確定囚は131人となった。
確定判決などによると、江藤死刑囚は信者ら3人と共謀。1994年12月~95年6月、福島県須賀川市の自宅で除霊と称して共同生活していた信者に太鼓のバチでたたくなどの暴行を繰り返し、6人を死亡させ、1人に重傷を負わせた。
一、二審判決は死刑を言い渡し、2008年9月に最高裁が上告を棄却し、確定した。
松田死刑囚は03年10月、熊本県松橋町(現宇城市)の女性(当時54)方で、女性と同居男性(同)の2人の胸を包丁で刺して殺害、現金約8万円と腕時計などを奪った。
松田死刑囚は強盗殺人罪ではなく、殺人罪と窃盗罪に当たると主張したが、一審・熊本地裁は強盗目的で殺害し、直後に金品を奪ったと認められると判断して死刑を言い渡し、二審・福岡高裁も支持。上告したが、その後、上告を取り下げ判決が確定した。
死刑執行を巡っては、滝法相は前回8月3日の執行後の記者会見で「冤罪(えんざい)などの恐れがない限り、裁判所の死刑判決を尊重するのは当然だ」と述べていた。