文化功労者の略歴と業績
【文化功労者】
五百旗頭真(いおきべ・まこと)防衛大学校長。占領期の日米関係を研究し、戦後日本政治の立ち位置や外交展開を国際水準で議論するなどの業績を上げた。
今井政之(いまい・まさゆき)陶芸家。技術的に難しかった象眼技法の作品を制作するなど、陶芸の新しい可能性を切り開いた。
遠藤章(えんどう・あきら)バイオファーム研究所長。血中コレステロール値を下げる物質を青カビから精製し、高脂血症治療薬「スタチン」開発につなげた。
大滝秀治(おおたき・ひでじ)俳優。ひょうひょうとした中にも熱情を感じさせる独特の演技で、演劇界に新風を送り続けた。
片桐洋一(かたぎり・よういち)大阪女子大名誉教授。古典和歌の歌枕や伊勢物語などの研究で新しい視点を提示し、研究史を書き換えた。
黒岩常祥(くろいわ・つねよし)立教大特任教授。真核生物のミトコンドリアと葉緑体の分裂・増殖・遺伝の原理を世界で初めて解明した。
加賀乙彦(かが・おとひこ=本名小木貞孝=こぎ・さだたか)小説家。精神医学に立脚した優れた小説や文芸評論で、現代文学に新たな面を切り開いた。代表作に「宣告」など。
芝祐靖(しば・すけやす)雅楽演奏家。宮中儀式の演奏に携わったほか、作曲も手掛けて雅楽の現代芸術としての可能性を示した。
菅野卓雄(すがの・たくお)東京大名誉教授。集積回路の根幹をなす電界効果トランジスタの実用化に向けた基礎を確立した。
玉尾皓平(たまお・こうへい)理化学研究所基幹研究所長。ニッケル触媒によるクロスカップリング法の発見など、有機金属化学の分野で優れた業績を上げた。
橋本堅太郎(はしもと・けんたろう)彫刻家。正統的な木彫り技法を受け継ぎ、若い女性群像の優れた作品を多く制作した。
日比野光鳳(ひびの・こうほう=本名日比野尚=ひびの・ひさし)書家。中国や平安~江戸期の幅広い時代の名筆を研究し、独創的で気品あふれる書を確立した。
毛里和子(もうり・かずこ)早稲田大名誉教授。中国政治を多面的に研究し、現代中国の全体像を描き出した。
山口昌男(やまぐち・まさお)東京外国語大名誉教授。文化人類学の研究で業績を上げ、編集や対話、企画などを通じて演劇・映画・漫画などの分野にも大きな刺激を与えた。
横道萬里雄(よこみち・まりお)能楽研究家。芸能の要素を的確に記述する方法論の確立を追求し、古典芸能と研究の発展に寄与した。