サイバー犯罪、ハッカーの知恵借りる 警察庁
パソコン遠隔操作事件を受け、警察庁は24日、捜査員や警察職員に対し、ネット掲示板や交流サイト(SNS)に参加し、サイバー犯罪に悪用される可能性がある技術に詳しい「ハッカー」と交流して情報収集するよう促す方針を決めた。同日まとめたサイバー犯罪対策の「緊急プログラム」に盛り込んだ。
プログラムは官民の連携の推進が柱。最新技術に対応するにはセキュリティー会社など民間企業に加え、個人レベルでも官民連携を進めることが重要と判断した。
同庁が捜査員らに交流を促す「ハッカー」とは、サイトに不正侵入したりする人物ではなく、コンピューター技術に詳しい人を指す。
ハッカーは掲示板やSNSを通じたコミュニティー内で情報交換する傾向があり、このコミュニティーに捜査員らが積極的に参加することで新技術などの情報を収集し、協力関係を築いておくのが狙いだ。
従来も捜査員らが各自の判断で同様の情報収集をすることはあったが、警察庁として奨励しさらに参加を促す。
このほか、捜査員の知識を底上げするため、捜査員向けマニュアルを作成する方針。セキュリティー会社との人事交流も検討する。
無関係の男性4人を誤認逮捕したパソコン遠隔操作事件を受け、警視庁などは昨年12月、サイバー部門の捜査員のレベル向上などの再発防止策を打ち出した。