殺害事件で手配中の小池容疑者、病死か 岡山で見つかる
警察、気づかず検視
徳島県警は20日、2001年に徳島市で起きた父子殺害事件で、長男への殺人容疑で指名手配し「おい、小池!」のポスターを作製して行方を追っていた小池俊一容疑者(52)が、岡山市で19日に死亡したと明らかにした。心臓疾患による病死とみられる。
岡山県警によると、小池容疑者はパート従業員の女性(67)と05年ごろから2人で暮らし、「小笠原準一で55歳」と名乗った。
岡山県警は小池容疑者と気付かず検視し、指紋も照合しなかった。葬儀業者が女性とのやりとりで、「偽名では」と疑念を抱き警察に連絡、指紋を照合し身元が判明した。同県警は「検視段階で気付けなかったのは遺憾」としている。
女性は岡山県警に「偽名とは分かっていたが、小池容疑者とは知らなかった。職には就いていなかった」と説明した。
岡山県警によると、小池容疑者は19日午後9時5分ごろ、岡山市北区の雑居ビルの自宅トイレで倒れた。同居女性が119番したが、午後10時15分ごろ死亡を確認。遺体は指名手配時と同じく、前歯が4本抜け、こめかみにほくろがあった。雑居ビル近くには県警本部もある。
徳島県警は20日、岡山市の自宅を捜索。被疑者死亡のまま書類送検する方針。女性から潜伏中の状況も事情を聴いている。
事件は01年4月、徳島市の無職、松田優さん(当時66)の自宅から出火。焼け跡から殺害された優さんの遺体が見つかった。兵庫県では雑木林の焼け跡から長男、浩史さん(同38)の遺体が見つかった。徳島県警によると、小池容疑者と父子はパチンコ仲間。優さんの預金通帳も奪われた。
徳島県警は翌月、浩史さんへの殺人容疑などで小池容疑者を指名手配。11年には優さんに対する強盗殺人、現住建造物等放火の疑いで逮捕状を取っていた。
徳島県警は出身地の北海道に捜査員を派遣するなどして捜査。手配ポスターを04年からこれまでに108万枚作製し、4389件の情報提供があった。10年に警察庁が捜査特別報奨金の対象事件に指定していた。〔共同〕