奈良の2紙に330万賠償命令 前参院議員への名誉毀損
生活の党の中村哲治前参院議員(41)が、妻(当時35)の自殺に関する虚偽報道で名誉を傷つけられたとして、奈良新聞社と奈良日日新聞社に慰謝料などを求めた訴訟の判決で、奈良地裁は17日、名誉毀損を認め、それぞれに330万円の支払いと謝罪広告の掲載を命じた。
判決によると、両社は2006年4月に自殺した中村氏の妻について10年4~6月「中村氏の度重なるドメスティックバイオレンス(DV)が自殺の大きな要因だった」と報道。「選挙の落選の責任を妻に押し付け、中村氏の家族の前で土下座させた」などの内容を遺族や知人の証言として掲載した。
牧賢二裁判長は判決理由で「中村氏と妻の遺族側は対立関係にあり、両紙は遺族側から得た情報の信用性を吟味し、裏付け取材を行うべきなのに、しなかった」と指摘。「掲載した行為はずさんで名誉を傷つけた」と認定した。〔共同〕