宮崎の家族3人殺害に死刑判決 裁判員裁判で3例目
地裁「自己中心的で冷酷」
宮崎市で3月、生後5カ月だった長男と妻、義母の3人を殺害したとして、殺人罪などに問われた無職、奥本章寛被告(22)の裁判員裁判で、宮崎地裁(高原正良裁判長)は7日、求刑通り死刑を言い渡した。
裁判員裁判での死刑判決は3例目、被害者数は最も多い。奥本被告は起訴内容を認めており、量刑が主な争点だった。
判決理由で高原裁判長は「義母の叱責をきっかけに、自由で1人になりたいと考え、家族3人を殺害した自己中心的な犯行で、厳しく非難されるべきだ」と指摘。犯行の計画性も認めた上で「冷酷、残虐で、結果はあまりに重大だ」と述べた。
論告で検察側は「家族間の事件としては最も悪質な部類」と厳しく非難。死刑適用の永山基準や山口県光市母子殺害事件の最高裁判決を引用し「年齢が若いことは死刑回避の特別の事情にはならない。懲役刑では罪に見合わない」と主張。
弁護側は「人間性が感じられないほどの執拗性や残虐性はない。後悔し反省しており、更生が期待できる」と死刑回避を求めていた。
判決によると、奥本被告は3月1日午前5時ごろ、長男、雄登ちゃんの首を絞めるなどして殺害。妻、くみ子さん(当時24)と義母、池上貴子さん(同50)も包丁やハンマーでそれぞれ殺害し、雄登ちゃんの遺体を自宅近くの資材置き場に埋めた。〔共同〕