アシアナ機事故、重体・重傷49人 死亡2人は16歳
【シリコンバレー=奥平和行】米サンフランシスコ国際空港で6日午前11時半(日本時間7日午前3時半)ごろ、韓国ソウル発サンフランシスコ行きのアシアナ航空214便ボーイング777型機が着陸に失敗して大破し、炎上した。搭乗者(乗客291人、乗員16人)のうち、中国人女性の2人が死亡した。負傷者180人超が病院に搬送された。日本人乗客1人も軽傷を負った。
米メディアなどによると、同便は着陸直前に機体後部が地面と激しく接触。機体は滑走路を外れて間もなく発煙、炎上した。乗客・乗員の多くは緊急避難口から脱出したもようだ。
同機は米当局の基準に従い、緊急時に生死を分けるとされる90秒以内に脱出ができる機内構造となっていた。米CNNテレビなどは「乗員が適切に誘導し、乗客も避難手順を知っていれば生存率は高まる」との専門家の見解を紹介。今回の事故では乗客らの素早い脱出が死傷者数の拡大を防いだとの見方を示した。
AP通信などによると、負傷者のうち、49人が重体・重傷。乗客は中国人が141人、米国、韓国人ら。中国中央テレビなどによると、死亡した中国人女性2人は16歳で、いずれも浙江省の生徒という。生徒30人と引率の教師4人の計34人でサマーキャンプに向かう途中だった。
乗客の日本人男性について、在サンフランシスコ日本総領事館が6日午後に電話で安否を確認し、担当者は「軽傷を負ったが、命に別条はない」などと説明している。米メディアは滑走路進入時の高度や角度が通常とは異なったとの目撃証言などを伝えているが、原因は不明。米運輸安全委員会(NTSB)がサンフランシスコに係官らを派遣、調査を始めた。
777型機は米ボーイングの主力大型機で、1995年に運航を始めた。これまで死亡事故を起こしたことはなく、信頼性の高い機材として知られていた。
地元テレビ局の映像によると、機体は前方から中程にかけて上部が激しく損傷。前方を中心に座席も焼失している。ばらばらになった尾翼は滑走路の進入口近くに散乱し、エンジンも機体から外れていた。