児童「メッセージ届いた!」 五輪選手とSNSで交流
「史上初のソーシャリンピック」と呼ばれたロンドン五輪。多くの日本人選手が競技の傍ら、ツイッターやフェイスブックなどの交流サイト(SNS)を活用し、日本国内の支援者やファンと双方向でやり取りした。
「出発前に受け取りました。ありがとうございます」。競泳の星奈津美選手(21)は開会前の7月15日、母校である埼玉県越谷市立鷺後小学校に向けて、ツイッターにメッセージを投稿した。
同小の6年生約140人は6月、縦1メートル横2メートルの白地の五輪旗に応援の言葉を書いた。母の真奈美さん(49)を通して受け取った星選手が児童にお礼を発信した。
平野容子校長(56)は「直接メッセージが届くとは思わなかった。忙しいのに子どもたちに向けて発信してくれるなんてありがたい」と驚く。夏休みのプール開放に参加している児童らに伝えると、「本当に届いたんだ! すごい」と興奮気味だったという。
「現地やネットで応援してくださった皆様、ありがとうございました」。テニスの添田豪選手(27)は7月31日の敗戦の後、フェイスブックで報告した。すぐにファンから「素晴らしい進化が見えて感動しました」「これからも応援します」などの返答が相次いだ。
添田選手が高校生の頃から交流があるテニスショップ経営の細谷理さん(42)は「惜しかったね。また会いましょう」と投稿した。「前向きな報告が聞けて良かった。全米オープンに向けて気持ちを切り替えて頑張ってほしい」と話す。
サッカーの元日本女子代表で解説者の大竹七未さん(38)は後輩の丸山桂里奈選手(29)ら現役選手にツイッターを通して応援メッセージを送った。「本番前の気持ちの整え方は選手それぞれ。SNSなら選手の都合のよい時に読んでもらえる」と気遣う。
選手のSNS利用が広がった背景の1つには、国際オリンピック委員会(IOC)が昨年8月、ガイドラインを示して利用を認めたことがある。「一人称の日記形式にする」「ジャーナリズム活動を禁止する」などの制約を付けたうえで、選手自ら情報発信することを奨励している。
日本オリンピック委員会(JOC)も「ファンに向けて自分の言葉で発信し、スポーツ界を盛り上げるきっかけにしてもらえれば」と今後も積極的に活用するよう期待している。