王者スピース「殿堂入り目標、若いゴルファーの規範に」
28日に初日を迎える男子ゴルフの日本ツアー今季開幕戦で、アジアンツアーとの共催大会、SMBCシンガポールオープン(賞金総額1億1938万円、優勝賞金2148万円)に世界ランキング1位のジョーダン・スピース(22、米国)が出場する。2014~15年シーズンはマスターズ・トーナメント、全米オープン選手権のメジャー2勝を含め、米ツアーで5勝を挙げたほか2位4回、3位1回と安定した成績をマーク。初の賞金王(獲得賞金1203万ドル=約14億2000万円)に輝いた。16年も、米ツアーの前年優勝者だけに出場資格が与えられる現代自動車チャンピオンズ(1月7~10日、ハワイ)で通算30アンダーと2位に8打差をつけて圧勝。米ツアー通算7勝目をマークし、順調なスタートを切った。
リッキー・ファウラー(米国)が勝った前週の欧州ツアー、アブダビHSBC選手権にも出場し5位タイに。強行日程でシンガポールに乗り込んできた。日本ツアーへの出場は、14年11月のダンロップ・フェニックス(3位)以来、2度目。世界のゴルフ界をリードする若き王者・スピースが26日、会場のセントーサGCで、日本経済新聞の単独インタビューに答えた。
――今年は4月のマスターズ、6月の全米オープンの2つのメジャーに、ディフェンディングチャンピオンとして臨む。シーズンを通した目標は何か。
「しっかり準備をして、昨年と同様の好結果を残したいと思っている。トーナメントに出場するために、いつも同じように高いモチベーションを持って、精いっぱいベストを尽くしたい」
――22歳とまだ若い。長いゴルフ人生での目標は?
「世界ゴルフ殿堂入りを果たしたい。ゴルフ界にとって、ポジティブな影響を与えられるようになりたいし、僕よりも若い世代に、一人でも多く新しいゴルファーが生まれるよう、ロールモデル(規範)になることを目指したい」
――今年8月のリオデジャネイロ五輪では、112年ぶりにゴルフが復活する。五輪への抱負は? 全米オープンの2週間後に世界選手権シリーズのブリヂストン招待、中1週で全英オープン選手権、また中1週で全米プロ選手権、そして2週間後にリオデジャネイロ五輪と、日程が詰まりかなり厳しいスケジュールになるが。
「米国代表としてリオ五輪に出たいし、五輪では他国の五輪選手とも交流したい。もちろん、国の代表として金メダルをとりたいね」
「マスターズ後、シーズン半ばに1度、しっかり休みをとってメジャーへの準備をするつもりでいる。メジャーでは、モチベーションを高めないといけない。各メジャー大会の前週は試合を休んで、万全の態勢で臨みたい」
――米ツアーの13年シーズンは1勝して賞金ランク10位だった。昨季は5勝を挙げて賞金王になり、ロリー・マキロイ(英国)らをかわして世界ランク1位にまで上り詰めた。急成長した理由について、自分ではどう思う?
「PGAツアーで優勝するのは非常に難しい。勝つためにはいろいろ学ばなければならないことがある。できるだけ多く優勝争いして、チャンスをものにすることが大事だ。優勝争いでは、いろんなプレッシャーもある。日曜日(最終日)のプレーの中で、うまくいったこともあるし、うまくいかなかったこともある。その中でいろいろ反省して、次の(優勝の)チャンスに向けて頑張った」
――技術的な課題は何か。
「スイングについてはこれまでと特に変えていない。感覚的なもので微調整程度だ。トーナメントではショートゲームが大切。最近はウエッジのプレーに焦点を当てて練習している」
(聞き手は吉良幸雄)
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