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急伸中国スポーツ市場 2025年には100兆円も

マーケティング会社、朱暁東董事長に聞く

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拡大が続く中国のスポーツビジネス。同国でサッカー、テニス、ランニングなど幅広い事業を展開するのがスポーツマーケティング会社の北京欧迅体育文化(オーシャンズ)だ。創業者でもある朱暁東董事長に現状と今後の課題を聞いた。

サッカークラブの年間予算が100億円

――中国のスポーツ市場は急拡大している。

「政府は昨年末、スポーツを(2025年までに)100兆円規模の産業に育てる目標を立てた。米国の2倍の規模で、中国の国内総生産(GDP)の4~5%にあたる。日本での自動車産業の比率よりも大きい」

「サッカー・ワールドカップ(W杯)に中国が支払うテレビ放映権料は日韓大会の頃は2大会の合計30億円だったが、18年ロシア大会は1大会で約300億円に増える。北米は企業の広告宣伝費におけるスポーツの割合が8.5%と聞く。日本は7%、中国はまだ3%しかない。スポンサー市場もまだ伸びる」

――サッカークラブの資金力も高まっている。

「広州恒大の年間予算は100億円。リッピ前監督とコーチ陣の年俸は合計約20億円だったという。しかし収入は40億円しかなく、収支は全く合っていない。ユニホームの胸スポンサーの協賛金が16億円でリーグからの分配金が4億円。チケット収入は本当か分からないが、20億円といわれている。北京国安も年間予算60億円のうち収入は8億円だけと聞く。中国ではサッカーはもうからないと思われている」

――足りないお金を補填してまで親会社がクラブを経営するのはなぜ。

「不動産会社など親会社がクラブ経営に力を入れる理由の一つは習近平国家主席がサッカーが好きだから。要人に会えるメリットがある。用地取得をする際、『サッカークラブのアカデミーを作るため』というと役所の許可が出やすいこともある。(親会社が)アカデミーと一緒にマンションを建てることもある」

――中国のクラブ経営の問題点は。

「クラブのスタッフは自分たちのオーナーさえ喜べばいいと思っている。サポーターへの地道なアピールやサッカークリニックなどは行わない」

スポーツのチケット販売額は500億円

「地域貢献をクラブライセンス取得の条件に入れたり、(クラブに収入以上の支出を禁じる)ファイナンシャルフェアプレーのような概念や、(支出が多すぎるクラブへの)ぜいたく税を導入するなど根本的に変えないといけない。株主も多様化させて『クラブがオーナーの持ち物』という考え方を変えた方がいい。メディアの間でも、チーム名から企業の名前を取るべきだと議論され始めている。このままでは中国のサッカーは長続きしないと思っている人が多い」

「サポーターにもまだお金を払ってチケットを買う文化が育っていない。どうやってただで試合を見るか、みんなが競い合っている。中国の映画のチケット販売総額は1兆円で、スポーツの入場券は500億円といわれている。米国は100対120の比率だから、中国のスポーツの入場料収入はまだまだ伸びる」

「私は5つのクラブの入場券販売の権利を取得している。今季は(スマホなどの)アプリを通してチケットを買ってもらうことで、購入者がどういう人かを把握することができるようにした。売れ行きは好調だ」

――サッカー以外のスポーツも拡大が続く。

「バスケットボールのプロリーグには元NBA選手がごろごろいる。クラブの年間予算は平均約10億円で北京のクラブは20億円に達する。中には年俸1億円をもらっている選手もいる」

――08年北京五輪は中国のスポーツビジネスに大きな影響を与えた。

「普段スポーツに協賛しない企業もお祭り的に五輪のスポンサーについた。国営企業がスポーツのスポンサーになり始めたのも北京五輪からだ」

五輪、スポンサー集め無理しすぎ?

「アクティベーション(スポンサーの権利を生かしたキャンペーンや販促活動)に協賛金の2~3倍の費用をかけることが、(スポンサーのメリットを最大化するために)必要という理論も、五輪でようやく理解されるようになった」

「例えば海爾集団(ハイアール、家電大手)は従来、白物家電でスポーツに投資していなかったが、五輪のロゴを付けることでブランド価値が上がり、国内での好感度が上がった。逆に、ある日本企業は協賛金だけでお金がなくなり、アクティベーションの予算を用意できず、五輪のロゴをポスターに使うくらいしか活用できなかった」

――20年東京五輪もスポンサー集めは好調だ。

「五輪のマーケティングは無理をしすぎじゃないかと思う。国のお祭りだから、市場価値を度外視したマーケットになってしまっている。一般人にスポンサーのティア1~3という(カテゴリーの)区別はつかない。それなら一番安いカテゴリーでアクティベーションをしっかりした方が効果的だ」

「(大会会場にスポンサーの看板を置けない五輪と違い)W杯はスタジアムに出す看板の数に限りがあるので、無理にスポンサーの数を増やしていない」

――北京五輪後の反動はあったのか。

「五輪が終わってから1~2年の間、企業は『スポーツはもういい。それなら芸能人にお金を出そう』という空気になった。中国でスポーツのスポンサーに回るお金が五輪後、半分以下に減ったのでは。小さなスポーツイベントもつぶれた。今ではその頃よりも回復したが、日本でも東京五輪後にスポーツ関係の会社がつぶれるなど、同じことが起きるかもしれない」

ラグビーW杯など国際大会に投資も

――五輪後の反動を防ぐには。

「地元のリーグなど日常的に行われているイベントへの協賛がより活発にならないといけない。19年ラグビーW杯のような別の国際大会に投資する方法もある」

――北京五輪の中国はメダル数でも躍進した。

「(スポーツを所管する)体育総局は金メダルを最大の目標に掲げた。中国には約20万人といわれるステートアマがいる。(国などの)担当者が地方の村に行って子供の手の大きさを測ることで身長が大きく伸びる子供を見つけ、アスリートに育てていると聞く」

「日本も東京五輪でエリートを育てようという雰囲気になっているが、やり過ぎると産業としてのスポーツの活力が失われる。五輪開催で逆に中国のスポーツが後退したのではという見方すらある」

(聞き手は谷口誠)

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