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黒田・松坂…「メジャー帰り」にわくわく

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 プロ野球の中日、楽天などで活躍し、セ、パ両リーグで本塁打王を獲得した山崎武司氏(46)が、野球を中心としたスポーツについて語る「フルスイングの余韻」の連載を始めます。勝負を決めたプレーの分析などの技術論にとどまらず、自由契約を言い渡されながらも復活した27年間のプロ野球選手としての経験に基づく人生論まで、幅広く展開します。(毎月1回掲載予定)

3月下旬のプロ野球開幕までまだ2カ月もあるというのに、既に気持ちはわくわくしている。最大の理由は、あの男が戻ってくるからだ。米大リーグ球団からの年俸21億円ともいわれるオファーを蹴って、その5分の1の年俸4億円(推定)で古巣・広島に戻ることを決めた黒田博樹。大リーグで5年連続2桁勝利を挙げていた39歳の右腕が8年ぶりに日本のマウンドに上がる姿を、じっくりとこの目で見てみたい。

ツーシーム、日本でも決め球になるか

「野球人として、たくさんの時間を熟考に費やしました。悩み抜いた末、野球人生の最後の決断として、プロ野球人生をスタートさせたカープで、もう一度プレーをさせていただくことを決めました」。広島復帰を決めたときに発表されたコメントに、黒田の思いは言い表されているだろう。大リーグをクビになって復帰するのではない。バリバリ働けるうちにカープに戻ってきて、恩返しをしたいという一心。人情があふれる決断に、感動したのは僕だけではなかったと思う。

まず楽しみにしているのは、どのような投球スタイルで臨むかという点だ。大リーグに行く前は直球(フォーシーム)、スライダー、フォークボールという3つの球種で押していたが、米国では右打者の内角に食い込むツーシームを有効に使ってきた。本場のスラッガーをきりきり舞いさせた決め球が、日本でもどのくらい通用するのかに注目したい。

カギは日本から米国に渡った時と同様に「ボールに適応できるか」にかかってくる。同じ野球のボールではあっても、メジャーで使われている球とプロ野球の統一球では、縫い目の高さや皮の滑りやすさが異なる。もともと日本のプロ野球出身とはいえ、何年もやっていれば向こうの球に慣れるのが当たり前。縫い目が高いメジャー球だからこそ増したともいわれるツーシームの切れ味を、統一球でも同じように出せるか。

大きいチームへの影響、前田は意地を

環境面でみれば、黒田にとって大きなプラスがある。渡米前の広島の本拠地は本塁打の出やすい広島市民球場だったが、2009年からは大リーグ仕様ともいえるマツダスタジアムに移った。投手有利となった球場の特性を考慮に入れて、ツーシームをどこまで使ってくるかは、本人の感覚次第となってくる。

黒田の再加入がチームにどのくらい影響を与えるかも興味深い。「経験豊富なベテラン」「脂ののりきった中堅」「何をやらかすかわからない若手」の3者がうまくかみあったチームが強い、というのが僕の持論。そのうちのベテランというピースが加わった。菊池涼介や丸佳浩ら若手の成長は首位争いを演じた昨年で証明済み。緒方孝市新監督の下、24年ぶりの優勝を目指す今季の広島のチーム力は確実にアップしたといえる。

バリバリの大リーガーが目の前でプレーすることが若手のいいお手本になることはいわずもがなだが、一番刺激を受けるのが前田健太だろう。黒田が抜けた後、投の「一枚看板」としてチームを支えてきたマエケン。存在感十分のベテランエースが加わる形になるが、先輩には負けないという意地を見せてほしい。

渡米投手で一番すごいと思った松坂

もう一人、大リーグからの復帰が決まった選手で注目したいのがソフトバンクに加入した松坂大輔だ。メジャーに行く前、脂ののりきっていた「怪物」と対戦した僕は、本塁打を1本も打てなかった。そのすごさを身をもって知っている。

日本ハム在籍時のダルビッシュ有(レンジャーズ)と対戦し、楽天では田中将大(ヤンキース)の投球を間近で見ていた僕だが、一番すごいと思ったのは松坂だ。真っすぐは速い、スライダーは切れる、カットボールはえげつない……。球種が多彩なうえ、どのボールも決め球になった。ダルビッシュなら直球かスライダー、田中ならスライダーかフォークと、普通はいい球種1つを生かすため投球を組み立てるのに、彼の場合はどの組み合わせでもオーケー。狙い球を絞ることができなかった。

大リーグでも「十分通用する」と思っていた。渡米当初は現に活躍したけれども、ここ数年はけがに泣かされていた。本人も満足のいかないシーズンを送った末に日本球界復帰を決めた。行き先は古巣・西武ではなく新天地となるソフトバンク。黒田とは違う形になったが、「必要とされるところに行く」というのがプロの宿命。様々な状況の中で、34歳の彼が下した選択を僕は尊重したい。

メジャーの良い部分、若手へ伝授期待

松坂には、広い意味での日本球界への貢献という役割を期待したい。米国で経験したことを、いい形で日本球界に伝えてほしい。例えば、けがをした原因は何だったのか。米国流の体を大きくするトレーニングに弊害はなかったのか。かつてのように、日本はすべて米国から教わるという時代ではないと思う。自分の苦い経験も踏まえて、メジャー流の良いところをうまく若手に伝授してほしいと思う。

もちろん、プレーでも大いに盛り上げてほしい。ぜひ見てみたいのが、日本ハムというか侍ジャパンの4番に成長した中田翔との対戦だ。松坂が大リーグに移籍した後にプロ入りした中田との「甲子園のヒーロー」同士の対決は、世代間抗争にもつながる。力と力のぶつかり合いは僕も楽しみだ。

「天才」福留の復活なるかも注目

「メジャー帰り」というくくりをすれば、個人的に気になる選手がもう一人いる。米国から戻ってきて3年目となる阪神の福留孝介だ。中日時代の後輩であるこの男は、僕からいわせたら「天才」だ。

いい成績を残したら、それをキープしようとするのが僕のような「凡人」の考え方。しかし、彼は首位打者を取った翌年、成績をさらに上げるために打撃フォームを変えようと試みた。僕も含めて周りの人間は、「そこまで自分を追い込むのか」と思った。しかし、そこが普通の人が入り込めない「聖域」なのかもしれない。

その天才も日本復帰後はもがいている。昨季は後半に頑張ったようにも見えるが、出場104試合で打率2割5分3厘、9本塁打、34打点。そのくらいでは全然ダメ。37歳で開幕を迎える今季は、昨年と同じような成績なら「引退」の2文字もちらつく。まさに正念場だろう。

実は彼とは毎年、米ハワイで一緒に自主トレを行ってきた。僕が現役を引退した後の昨年も、そして今年も続けている。復活を心から願うものの、練習のお手伝いなどというのはおこがましい。彼は自分でトレーニングをこなし、僕ができるのは夕食に付き合うくらいだ。自分が置かれた立場を、そして復活に向けてやるべきことを、天才はいわれなくてもわかっているはずだろうから。

(野球評論家)

 やまさき・たけし 1968年11月7日、愛知県生まれ。87年、愛工大名電高からドラフト2位で中日に入団。96年にセ・リーグ本塁打王(39本)。オリックスを経て、2005年の創設と同時に楽天へ移籍。07年にパ・リーグの本塁打(43本)と打点(108打点)の2冠王。12年、中日に復帰し、翌年に引退した。プロ通算2249試合で1834安打、打率2割5分7厘、403本塁打、1205打点。

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