宮城知事と仙台市長「外出自粛を」 緊急性訴える
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、宮城県の村井嘉浩知事と仙台市の郡和子市長は3日、県民に向けて今週末を含め、当面の外出自粛を要請した。村井知事は仙台市内でクラスター(感染者集団)が発生した現状を踏まえ「フェーズが大きく変わっている」と訴えた。
同日、県庁で宮城県医師会の佐藤和宏会長と仙台市医師会の永井幸夫会長を含む4人で「新型コロナウイルス感染症拡大防止に関する県民の皆様への緊急メッセージ」と題した共同記者会見を開いた。手話通訳も同席し、会見場の後方に設置したスクリーンでは「若い人は外出を控えてください」と表示し、緊急性を強調した。
郡市長は仙台市内のパブで発生したクラスターから今週末で新型コロナの潜伏期間とされる2週間を迎える点に触れ「今週末は重要な時期。慎重な行動が何よりも鍵となる」と指摘した。
県内には感染症指定医療機関が7つあり、新型コロナ感染者の受け入れ可能な病床数は29床にのぼる。一方、3日時点(午後5時現在)で入院患者数は12人にのぼり、病床数の逼迫が懸念されている。村井知事は「患者が増えれば医療崩壊で治療ができなくなる可能性もある」と危惧した。
村井知事と郡市長は「4人で会見をしている意味を理解してほしい」と口をそろえた。県の担当者によると、宮城県医師会の佐藤会長から村井知事に対して「緊急メッセージを発する必要がある」との提案があり、村井知事が郡市長に声をかける形で共同会見に至ったという。
村井知事は「特に若い人が感染を拡大させている」と強調し、若い人の定義としては「40歳代以下」とした。そうした世代を中心に、今週末だけではなく「当面の間、今後1~2週間は不要不急の外出は控えてほしい」と求めた。
外出自粛に伴う商業施設などへの補償について、村井知事は「政府の対策が徐々に明らかになってきている。万全を期したい」と述べるにとどめた。
仙台市は学校の再開時期について、感染が確認された教員が勤める学校を除き、8日に再開するとしている。郡市長は「動向を見て判断していきたい」と柔軟に対応する姿勢を示した。村井知事も「文科省のガイドラインに沿って準備を進めている。現在のところは予定通り」とした。
新型コロナウイルスの感染症法上の分類が2023年5月8日に季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行しました。関連ニュースをこちらでまとめてお読みいただけます。
-
【よく読まれている記事】
- 新型コロナウイルスは体内にいつまで残るのか
- 「コロナに決してかからない人」はいるのか?