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ゼニも優先席も求めない 野球好きな長寿選手たち

スポーツライター 浜田昭八

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乗り物で席を譲られるときの老人の反応はさまざまだ。素直に「ありがとう」と言う人、「ああ、オレもついにそのトシか」とつぶやくような様子で席につく人……。まれに「大丈夫です」と、怖い顔で厚意を断る人もいる。

引退勧告にもクールに振る舞った鳥谷

実力社会のプロ野球界に老人優先の慣習はあまり感じられない。スター選手であっても35歳を過ぎた辺りから「そろそろ、お引き取り下さい」という空気が身辺に漂う。球団と選手はビジネスライクな契約で結ばれているが、そこは義理、人情を重んじる民族。米球界でなら代理人を立てて交渉するところも、"あうん"のやり取りを経て納得したような、しないような状態で現役引退となるケースが多い。

しかし、鳥谷敬(38)の阪神退団からロッテ入団へ至る経緯は異例だった。阪神ひと筋16年。攻守の中心選手として「功労者」といえる実績を残した。このクラスの選手の引退となると、球団は引退試合をセットし、コーチやフロントでチーム編成を担当するポストなどを用意するものだ。

だが、阪神ははっきりと「現役引退勧告」という形で迫り、それに伴う"論功行賞ポスト"を用意しなかったようだ。これに対して鳥谷は現役続行にこだわり、双方の考えが合致せずに退団が決まった。この間、けんか別れの空気は感じられなかった。きれい事だけで済んだとは思えないが、乗り物で席を譲る、譲られるときのような微妙なやりとりはなく、どちらも大人の姿勢を貫いた。

ロッテ入りが正式に発表されたのは3月10日だった。新型コロナウイルスで球界も混乱したが、これだけ遅い時期に4カ月も空白のある選手を獲得するのは珍しい。ロッテはキャンプ、練習試合で故障者が続出し、内野陣編成に苦しんでいた。鳥谷獲得は早くから検討していたが、問題は鳥谷にどれだけの力が残っているか。

壁打ちをしながらひたすら吉報を待つ

ロッテ・井口資仁監督とは自主トレを一緒にやったことがある旧知の間柄。鳥谷が「練習魔」の異名をとるほど真面目で、若手の模範になるだろうという期待もあった。力量はもちろん認めている。打撃は空白を埋めるのに少し時間はかかるだろうが、遊撃の守備はトップクラスのレベルを維持していると見ている。

阪神退団後の鳥谷は、セパの各球団からの入団勧誘をひたすら待った。独立リーグや台湾、韓国球界からの誘いがあっても乗らないと決めていた。だが、日本球団からは一向に声がかからなかった。それでも、ハワイで自主トレに励み、ジムで筋トレを続けるなど、準備は怠らなかった。

「一番やったのは、自宅ガレージでの壁打ち」とロッテ入団後のインタビューで答えた。壁にボールを投げつけ、不規則に跳ね返ってくるのに反応する、孤独なトレーニングだ。フットワーク、グラブさばきの練習になると同時に、孤独トレに耐える精神力も鍛えられる。その苦しさを乗り越えた。

阪神での終盤2年はベンチを温めることが多くなった。じっと耐えながらも、レギュラーとしてプレーする気力を失わなかった。自分より年長の福留孝介(42)は適当な休養をもらいながらも、外野のレギュラーで頑張っている。投手の能見篤史(40)、藤川球児(39)、外野手の糸井嘉男(38)も、それぞれに働き場所を得て活躍している。自分だけが、老人優先席を求めて、キョロキョロするような態度を見せたくないと思い続けた。

反骨心はどう花開く?

他球団でも、早大の同期生だったヤクルト・青木宣親(38)が中心選手としてチームを引っ張っている。さらに、最も刺激を受けているのは、西武・松坂大輔(39)の奮闘だ。昨年、右肩を痛めて力尽きたかとみられたが、たくましくよみがえった。西武で8年、米大リーグで8年、日本球界へ復帰してソフトバンクで3年、中日で2年。そして今年、西武へ14年ぶりに戻った。同僚になったニール投手にフォークボールに似た「スプリットチェンジ」の投げ方を教わり、投球のモデルチェンジに生かすなど、探求心も旺盛だ。

長く活躍する選手に共通しているのは「野球が好き」ということだろう。鳥谷も松坂も年俸は激減した。それでも「ゼニカネの問題でない」というプライドを感じさせる。あからさまには出さないが、古巣に対する「今に見ておれ」という反骨心は、もちろん保っているだろう。それがどんな形で花開くか、じっくりと見守りたい。

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