GM、1.7兆円引き出し 需要減見越し資金確保
【ニューヨーク=中山修志】米ゼネラル・モーターズ(GM)は24日、金融機関の融資枠から160億ドル(約1兆7600億円)を引き出すと発表した。新型コロナウイルス感染拡大で世界的に自動車販売が低迷するなか、手元資金を積み増して事態の長期化に備える。
同社は北米市場の需要減を見越して、北米での生産を19日から全面的に休止した。メアリー・バーラ最高経営責任者(CEO)は24日の声明で「過去数年の構造改革によって、GMの事業基盤は市場の低迷にも耐えられるよう改善した」と述べた。
自動車ローン部門は3月末時点で240億ドル程度の手元流動性を確保するという。同部門のトップは、資本調達に頼らなくても6カ月間の資金繰りには問題ないとの見通しを示した。
2008年の金融危機では米新車販売が2年連続で2割減少。自動車ローンの貸し倒れも膨らみ、GMは09年に経営破綻した。コロナ問題の販売への影響は一時的にリーマン・ショックを上回ると見られ、GM株は2月下旬以降におよそ5割下落した。
新型コロナウイルスの感染症法上の分類が2023年5月8日に季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行しました。関連ニュースをこちらでまとめてお読みいただけます。
-
【よく読まれている記事】
- 新型コロナウイルスは体内にいつまで残るのか
- 「コロナに決してかからない人」はいるのか?