中信集団、知日派の経営トップ退任
【北京=多部田俊輔】中国の国有複合企業大手、中国中信集団(CITIC)は20日、経営トップの常振明氏(63)の退任を発表した。知日派として知られる常氏は中国の金融業界だけでなく、政財界に幅広い人脈を持ち、伊藤忠商事など日本企業と中国企業の提携にも多く関わった。後任には中国人民銀行(中央銀行)の朱鶴新・副総裁が就いた。
CITICによると、20日の幹部会議で、すべての重要事項を指導する社内の共産党組織のトップの書記職について常氏が退き、朱氏が就く人事を決定した。中国メディアによると、常氏はCITICの董事長(会長)も兼任しており、朱氏が同職も引き継ぐ。
常氏は1956年生まれ。北京第二外国語大学で日本語を学び、日本の証券会社で研修を受けたこともある。2010年からCITICの経営トップとして腕を振るった。党の最高意思決定機関、共産党大会の代表も歴任した。
後任の朱氏は1968年生まれ。国有の交通銀行でキャリアを積み、同行や中国銀行で副頭取、四川省の副省長を務めた後、2018年から中国人民銀行の副総裁を務めていた。
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