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自分一人のためではない 「中途入社」鳥谷の使命

編集委員 篠山正幸

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「浪人」の身だったプロ野球前阪神、鳥谷敬(38)の落ち着き先が、やっと決まった。キャンプ不参加のハンディを克服できるのか。次世代のスター候補が控えるロッテの内野陣で、ベテランの力がどこまで必要とされるのか。懸念もないわけではないが、鳥谷には証明したいことがあるという。新職場への「中途入社」となった名手が、自らに課した使命とは……。

新型コロナウイルスへの対応を余儀なくされるなか、鳥谷の「入団会見」は立ったままの「囲み取材」の形式で行われた。昨季までの16年で通算2085安打、プロ野球史上2位の1939試合連続出場の記録を持つ鉄人は、6度のベストナイン、5度のゴールデングラブ賞(遊撃で4度、三塁で1度)にも輝いている。球団としても着席式の会見をしたかったといい、一時代を築いた選手の移籍のお披露目としては異例の光景となった。

新たなステージに立てる喜び

もちろん、鳥谷本人はそんなことは意に介さない。

「自分ができることは(新たな所属先が)決まったときに、しっかり体を動かせるよう準備することだった。野球に関しては打つ、投げるということをやってきた。投手の球は打てていないが、それ以外、やれることはやってきた」(懸念されるブランクの影響について)

「あと何年できるかわからないし、先が長いわけでもない。自分が納得できる形で現役人生を終えられるようにしたいと思い、現役続行を決めていたので、そうなればいい」(今後目指すことは、と問われて)

スーツの上からでも、昨年までのシーズン中と変わらない締まった体であることがうかがえた。昨季途中、阪神から今季の戦力構想からはずれているとの「内示」を受け、8月末、退団の意思を表明。以来、獲得に名乗りを挙げる球団はなく、長い浪人状態が続いた。かみしめるような一言一言に、新たなステージに立てる喜びをにじませた。

鳥谷は現役時代の井口資仁監督と自主トレをともにし「同じ内野手としていろんなことを学ばせてもらった」という仲だ。そのため、早い段階からロッテは鳥谷の移籍先として挙げられていた。

年俸などの条件面で、鳥谷サイドから注文がつくとも思えず、このオフ、積極的な補強に動いたロッテが、契約しようと思えばいつでもできたはず。にもかかわらず、本来なら開幕直前となったはずのこの時期の決着となった。

鳥谷で「内野の厚み増す必要」

年をまたいだ空白の数カ月にうかがえるのは、獲得に慎重にならざるを得なかった球団の事情だ。さらには、そのみえざる支障を取り去るには「どうしても鳥谷の力が必要」といえるだけの客観的な事実が必要だったということだ。

「藤原・平安時代が来るといいねえ」。日本史の時代区分になぞらえて、球団の近未来像を描いていたのは山室晋也・前球団社長だ。

「藤原」は2018年のドラフト1位、藤原恭大のこと。「平安」の「平」は15年のドラフト1位、平沢大河で「安」は17年のドラフト1位、安田尚憲のことだ。スター候補の入団に恵まれ、彼らがレギュラーに定着したあかつきには、清新さを売り物にしていける、という目算があった。

外野手の藤原は別として、平沢、安田が定位置争いをする内野に鳥谷というベテランが加わると、新芽が出てくるはずの穴にフタをすることになるのではないか。時間を逆戻りさせることにならないか。そこに球団のためらいがあったのではないか、と思われる。

だが、その懸念は消えた。球団としては望むところではなかったのだが、平沢、安田に定位置を奪い取るまでの勢いがない。

松本尚樹球団本部長は鳥谷獲得の背景について「キャンプ、練習試合、オープン戦を通じて、内野の厚みを増す必要を感じた」と説明した。平沢、安田の様子をギリギリまでみたが、タイムアップ。かみ砕いて言えば、そういうことになるだろう。昨季、どこでも守れる内野手として重宝した鈴木大地がフリーエージェントで楽天に移籍した。その穴が埋まる見通しが立たなかった、ということにもなる。

松本本部長は野球への取り組み姿勢など、若手の教材としてというより、鳥谷を「戦力として考えている」と強調した。

キャンプにも参加できず、この時期まで待たなければならなかった鳥谷にとって、ブランクが響かないはずはない。だが、この期間は誰にも気兼ねすることなく、入団するためには必須の期間だったともいえる。

このブランクを克服してみせることが、自分の使命、と鳥谷は言った。

「この時期に入って、それでもしっかりできるんだ、ということをみせるのも自分の一つの使命かな、と感じる」。この先も、自分と同じような境遇の選手が出てくるかもしれない。そんな後続のためにも「ここまで待って入っても活躍できるというものを、最初の形として自分が見せられたらいいな、と」。

すでにメジャーの傾向に表れているように、トップ選手の年俸が高騰するなか、少しでも下がり目になった選手は球団の看板であれ、誰であれ、あっさりとお役御免となる。日本球界も例外ではない。マリナーズのイチローさんが40歳を超えて、出番が激減したように、年齢で一律に評価される傾向が日本でも強まるかもしれない。名のある選手でも、契約切れと同時に、中ぶらりんになるケースが増える可能性がある。

そう考えると、鳥谷の挑戦は自分一人のためではないことになる。あとに続く者たちに、新たな道筋をつけられるかどうか、注目したい。

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