JR貨物、ベイエリアに大型物流施設開業
JR貨物は27日、3月に開業する大型マルチテナント物流施設「東京レールゲートWEST」(東京・品川)を報道向けに公開した。貨物輸送の発着拠点となる東京貨物ターミナル駅構内に建設した。賃貸部の床面積は4万3341平方メートル。常温のほか冷蔵・冷凍にも対応する。JR貨物は湾岸エリアでの倉庫不足の解消につながるとみる。
3月に7階建て(倉庫は2~6階)の「東京レールゲートWEST」を開業する。東京貨物ターミナル駅だけでなく、東京国際コンテナターミナルや羽田空港にも近い場所に位置する。東京湾岸エリアでは倉庫の不足が課題となっていた。
投資額は非公表だが数百億円規模とみられる。建設期間は約1年半で、賃貸面積は4万平方メートル超。鴻池運輸や日本運輸倉庫などが入居。すでに約8割が埋まっている。
同社は22年には同駅構内にWESTより3倍以上大きい「東京レールゲートEAST」を開業する計画。WESTとEASTを合わせた賃貸面積は約17万5000平方メートルで、東京ベイエリア最大級となる。
WESTは東京貨物ターミナル駅構内にあるため、荷物の保管と鉄道利用がシームレスにできる。入居企業は貨物輸送の利用量に応じて、賃料の割り引きも受けられる。
倉庫内作業員の人手不足の観点からも入居企業の間で「大型の物流施設に倉庫を集約する需要が高まっている」(JR貨物)という。東京レールゲートはその受け皿にもなるとみる。
JR貨物は今後、札幌などの地方拠点にも「レールゲート」を作りたい考え。輸送事業と倉庫事業を両輪で進める。
(長尾里穂)