手塚治虫の「新作」をAIで制作 キオクシア
半導体大手のキオクシア(旧東芝メモリ)は26日、人工知能(AI)を使って制作した故・手塚治虫氏の「新作」マンガの発表会を開いた。手塚治虫氏の作品をAIに学習させ、新しく生成したデザインなどを基に作品を仕上げた。講談社が27日に発売するコミック誌「モーニング」に前編が掲載される。
新作マンガの題名は「ぱいどん」で、2030年の東京が舞台。管理社会に背を向けるホームレスの哲学者「ぱいどん」が、小鳥ロボットの「アポロ」と共に事件を解決するストーリーだ。
手塚治虫氏の作品を学習したAIがつくる筋書きやキャラクターを基に、クリエーターが作品を仕上げた。6000枚のキャラクター画像を学習し、主人公を生成したという。キオクシアの画像認識AIを活用した。
キオクシアや手塚プロダクションのほか、慶応義塾大学の栗原聡教授などが作成に携わった。キオクシアの百冨正樹執行役員は「メモリーは記憶するもの。今回は『記憶で世界を面白くする』取り組みの一環だ」と語った。19年7月ごろからプロジェクトをスタートし、半年で作品を仕上げた。
キオクシアは19年10月に東芝メモリから社名を変更した。社名変更と連動したプロジェクトの第1弾として、今回の手塚作品の作成を企画した。