NYで中古衣料の再利用ファッションウイーク 22日から
【ニューヨーク=河内真帆】米ニューヨーク市で衣料品の廃棄を減らそうと訴えるファッションイベント「リ・ファッション・ウイーク」が22日から始まる。28日までの一週間にわたり、市民に衣料品の再利用を促すアドバイスやノウハウを提供する。同市では毎年20万トンにのぼる衣類、靴、アクセサリーがゴミとして廃棄されており、削減が急務になっている。
ニューヨーク市衛生局が主催し、環境問題に取り組む非営利団体、専門家などを集め、市民向けに廃棄削減の手法を提起する。ブルックリン地区の数カ所に中古衣料の交換場所を設置、リサイクルショップから集めた衣料品アイテムを利用したファッションショー、仕立て直しのワークショップなど体験型のイベントも開催する。
同市の平均的な一世帯から毎年60キログラム程度の衣料品が廃棄されるという。洗濯のたびに素材の一部が海洋にマイクロプラスチックをまき散らすと言われ、アパレル業界は石油企業に次ぐ2番目の環境破壊業界と批判されている。
ただ、ファッション業界は素材製造や繊維製造などの零細企業が多く、全体的な統制は取れていない。むしろ、こうしたイベントで意識を高めた消費者が業界に改革を求めていく可能性もある。
中古衣料などを活用するセカンドハンド・スタイリストのテルミ・ムラオさん(29)はパネルディスカッションイベントに登壇する。「ニューヨーク市の若者は意識が高い半面、ファッションの中心地として消費を喚起する販促の圧力も高い。こうしたイベントが消費者が買い物をする前に少しでも考えるきっかけを与えられるといい」と期待を見せた。