カナダのショッピファイ、「リブラ」に加盟
【ニューヨーク=高橋そら】カナダのショッピファイは21日、米フェイスブックが主導するデジタル通貨「リブラ」の運営団体に加盟すると発表した。自社が小売事業者向けに展開するサービス内で使う決済の選択肢を増やし、顧客の利便性を高める狙いがある。リブラをめぐっては規制当局の慎重論が根強く、実現に向けては高いハードルが残る。
ショッピファイは声明で「世界中で誰にとっても使いやすいよう、商取引を改善する方法を考えることが我々の使命だ」と述べた。「多くの起業家を支援する(決済)インフラをつくりたい」と期待を込めた。
同社は北米を中心に、世界175カ国以上で新興ネット通販向けの電子商取引(EC)プラットフォームを手掛けている。主な顧客は中小規模の小売事業者だ。同社のシステムを使って自分のブランドを立ち上げた顧客が決済・送金ツールとしてリブラを活用することを想定している。顧客にとっては国境をまたいだ送金がしやすくなるほか、銀行口座を持たなくても決済システムを利用できるようになる可能性がある。
もっとも、リブラには逆風が吹き付けている。各国の金融当局はマネーロンダリング(資金洗浄)などのリスクが高まると警戒。中央銀行の金融政策の有効性も失われかねないとの懸念が広がっていた。電子決済大手の米ペイパル・ホールディングスや米マスターカードなどはリブラの運営団体への参加を見送った。