NYダウ227ドル安、肺炎と景況感悪化を警戒 金利は低下
【ニューヨーク=大島有美子】21日の米ダウ工業株30種平均は続落し、前日比227ドル57セント安の2万8992ドル41セントで取引を終えた。新型肺炎の感染が中国以外で広がっていることへの懸念が強まった。21日発表の2月の米企業の景況感が大幅に悪化したことも響いた。安全資産である米国債が買われ、長期金利は大きく下がった。
新型肺炎は日本で感染が広がっており、韓国でも患者が急増した。市場で肺炎への警戒が改めて強まっており、ダウ平均の下げ幅は一時300ドルを超えた。マイクロソフトやアップルなどIT(情報技術)株が売られたほか、エネルギー株や消費関連株も値下がりが目立った。
安全資産とされる米国債を買う動きも強まった。米30年物国債は一時、前日より0.08%低い1.88%まで下がり、過去最低を更新した。10年債も0.09%低い1.43%まで下がり、2019年の最低水準(1.42%)に迫った。市場では米連邦準備理事会(FRB)が年内に利下げするとの見方も出ている。金利先物市場では6月までの利下げ確率は6割程度に上がった。
新型肺炎が米国の経済活動に悪影響を与えているとの懸念も出た。IHSマークイットが21日発表した2月の米総合購買担当者景気指数(PMI)の速報値は前月比で3.7ポイント低下し、49.6となった。2013年10月以来の低水準だ。新規受注や輸出が下がっており、好不況の境目となる50も下回った。
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