NYダウ200ドル超安で推移 米企業景況感の悪化で
【NQNニューヨーク=横内理恵】21日の米株式相場は続落し、15時現在のダウ工業株30種平均は前日比234ドル63セント安の2万8985ドル35セントで推移している。米企業の景況感悪化が鮮明になり、主力ハイテク株を中心に売りを誘った。中国以外で新型肺炎が拡大していることも投資家心理の重荷となった。ダウ平均は320ドルあまり下げる場面があった。
IHSマークイットが21日午前に発表した2月の米国の総合購買担当者景気指数(PMI)が49.6と1月から大幅に低下した。好不況の境目である50を下回り、6年4カ月ぶりの低水準となった。サービス業のPMIが低調だった。新型肺炎の悪影響が米企業業績にも広く及ぶとの警戒感が高まった。
新型肺炎は日本や韓国など中国以外での感染が拡大している。世界保健機関(WHO)は21日、イランでの感染者数の急増に懸念を表明した。米疾病対策センター(CDC)が米国での感染拡大を警戒しているとも伝わった。
最近まで相場上昇をけん引してきたマイクロソフトなどのハイテク株や、画像処理半導体(GPU)のエヌビディアといった成長期待が高く値動きの大きい「モメンタム株」への売りが目立った。石油のシェブロンなど景気敏感株も安い。
PMIの悪化を受け、米債券市場では超長期金利の指標とされる30年債利回りが過去最低を更新し、10年債利回りも一時1.43%と昨夏以来の水準に低下した。金利低下で利ざやが悪化するとしてJPモルガン・チェースなど金融株も売られている。