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現役大リーガーに南ア出身者も 外国選手も多彩に

スポーツライター 浜田昭八

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米プロフットボールリーグ(NFL)の頂上決戦、「スーパーボウル」の最優秀選手にチーフスのQB、パトリック・マホームズが選ばれた。同選手は日本プロ野球・横浜(現DeNA)の投手だったパット・マホームズの子息と報じられたが、「そういえば、そんな投手がいた」というぐらいにしか思い浮かばない。1997年から2シーズン在籍、3勝8敗の投手を思い出すのは難しい。

パット氏が日本で投げていたころに比べると、外国人選手は増えた。出場登録は4人までと制限されているが、各球団ともに育成組を含めて制限を超える人数を保有。登録、抹消を使い分けて外国人の力をフル活用するのが、チーム構成に欠かせぬ手段になっている。選手も1、2年の短期滞在でよく入れ替わるから、ファンの記憶に残らない。

今季はとりわけ、新外国人の加入が多い。来日ラッシュだった1月末の4日間に、関西空港、阪神、オリックス両球団事務所の3カ所を巡り、6選手の入団会見を取材した。オリックス入りしたジョーンズ外野手は推定年俸4億4000万円。福良淳一前監督が実力に太鼓判を押す現役大リーガーだ。

このほかにも巨人・サンチェス投手、ソフトバンク・ムーア投手ら、年俸2億、3億円を取る"救世主"が続々と入団した。情報網が発達したので各球団の狙いがよく競合する。DeNAのオースティン内野手は阪神と競り合って獲得した選手。大リーグのレイズへ移籍した筒香の穴を、これで埋める算段だ。阪神は韓国球界の打点王、サンズ外野手に乗り換えて切り抜ける。

始まったオープン戦で早くも実力の一端をのぞかせている選手がいるが、日本式の細かい野球に戸惑う者もいる。野茂、イチロー、田中マーくんらの活躍があって、その昔のように日本野球を見下す選手はいない。

しかし、この時期の活躍や不振を額面通りには受け入れられない。1985、86年に2年連続で三冠王になった阪神・バースでも、来日当初は「速球に弱い」と見られた。甲子園の浜風に逆らわず、左翼へ流し打つ打撃を習得して開花した。迎え撃つ側も、今は新外国人の長所、欠点を探っている段階だから、まだしばらくは実力を判定できない。

近年は中南米諸国から来日する選手が増えた。マルティネス姓の選手が日本ハムに1人、中日に2人、ロドリゲスが日本ハム、オリックス、中日に各1人いるのが、この現象を象徴している。ほかにもガルシア、ゴンザレスなどの中南米系選手は、毎年どこかの球団に出入りしている印象がある。

20年以上前のロサンゼルス・ドジャースに中南米系の選手が集中したことがあった。特に投手に多く、先発陣は「国連ローテーション」と呼ばれたほど。わが球界には韓国、台湾勢も多い。今季はこれに南アフリカがルーツの広島・スコット投手、ブラジル出身の巨人・ビエイラ投手が加わり、多国籍化はますます進んでいる。野球の中身は世界共通とはいえ、国民性の違いなどに配慮した選手管理がますます難しくなる。

ただ、国籍よりも日本で何年プレーするかが問題だろう。野球人生を日本で終えると覚悟してくる選手がどれだけいるのか。ほとんどが1、2年の契約でひと稼ぎして、さっさと帰国する。今年来日した選手が秋に何人残っているかと思うと寂しい。せめて5年は腰を据えてほしい。球団も若手が一本立ちするまでの"つなぎ"にするだけと焦らず、気長に外国人の力を引き出すべきだろう。

新外国人に関心が集まりがちだが、数少ない長期滞在選手の存在に注目すべきだろう。

日本で10年目のシーズンを迎えるのはヤクルトからソフトバンクへ移ったバレンティン。打撃のタイトル争いに波乱を巻き起こすだけでなく、ペナントの行方をも左右しかねない。チームメートになる投手サファテも広島で2年、西武で1年投げたあと福岡へ移って通算10年目の日本滞在だ。

同じ通算10年目組にロッテの左腕チェン(陳冠宇)がいる。DeNAで4年の下積みのあと移籍して主に救援で奮闘している。タフで真面目な姿は、短期間で駆け抜ける選手よりも好感が持てる。このほか、DeNAのロペス内野手、オリックスのディクソン投手が8年目のシーズンに臨む。

シーズンが始まると、新外国人の力は「この程度か……」という誤算が必ず生じる。すると外国人取り換えの緊急補強だ。あのマホームズも補強期限ぎりぎり、6月末日(現在の規定は7月末日)の入団だった。さて今年はこのケースが何件あるやら……。

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