宇都宮市、水害対策に力 20年度予算
宇都宮市が14日発表した2020年度予算案は、一般会計総額が19年度当初予算比2%減の2130億円となった。台風19号で市内でも浸水被害が相次いだことを踏まえ、田んぼを活用した雨水の貯水効果の検証や公共施設への貯留タンクの設置などに18億円を投じる。次世代型路面電車(LRT)のJR宇都宮駅の西側延伸に向け、調査費用なども計上した。
一般ゴミの最終処分場の建設が19年度で終了し工事費の支出がなくなるのに伴い、予算規模は2年連続で前年度を下回った。歳入は税率引き下げで法人市民税が大きく減るため、貯金に当たる財政調整基金などを取り崩して補填する。歳出では22年の開業に向け工事が本格化しているLRTの事業費が28%増の126億円に膨らむ。
市の財政指標はおおむね中核市平均を上回っているが、市債残高は2年連続で増え、基金残高の取り崩しも続いている。同日会見した佐藤栄一市長は「人口減少で税収不足が見込まれる中、予算の組み立て方は今後難しくなっていく。財政指標や世代間の公平性に目配りしながら将来世代に必要なことは先んじて手を打っていきたい」と述べた。
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