バス・鉄道無料化で利用増 宇都宮の社会実験
宇都宮MaaS社会実験実行委員会は宇都宮市内を走る路線バスや東武宇都宮線の東武宇都宮―西川田間を乗り放題にする社会実験で、参加者の公共交通の利用率がバスで4割高まったとの分析結果をまとめた。行動範囲の拡大や外出頻度の向上も確認した。無料化に踏み切るのは難しいものの、公共交通の潜在需要を把握できた。
社会実験は早稲田大学と宇都宮大学が中心になり、交通事業者やKDDI、宇都宮市などの協力を得て、2019年9月に実施した。公共交通の定期券を持たない20~50代の216人に対し、バスはスマートフォンアプリのフリーパス、鉄道は無料乗車券を配布し、行動の変化を調べた。
スマホの全地球測位システム(GPS)を使った分析では、参加者の滞在場所が2.7倍に増えた。外出頻度も週4回以上外出する参加者の割合が41%と実験前に比べ11ポイント上昇した。