知られざる足跡を追う 藤島大氏が選ぶ3冊
ベーブ・ルースは、なぜ甲子園でホームランを打てなかったのか 永田陽一著
美談にせよ奇談にせよ、およそストーリーとは、細部の検証をくぐり抜けて、歴史というアンパイアに向き合える。
99年前、北米先住民族チームが来日した。戦力はいかにも薄く、当初は大敗ばかりで「報道は消えた。その後、どこに行ったのか、追跡は容易ではない」。あやしい興行師にだまされ宿代を払えず、それでも茨城や新潟で人々を喜ばせた。そんな知られざる足跡を野球史家は難儀とわかって追いかける。
書名の謎は球場の...