秋田県20年度予算案0.9%増、「稼ぐ力」や人に投資
秋田県は7日、一般会計の総額が5794億円となる2020年度予算案を発表した。防災・減災や国の国土強靱(きょうじん)化対策などに伴い、19年度当初予算に比べて0.9%増え、5年ぶりの増加となった。秋田の未来への投資として「稼ぐ力」「人」「健康・安全・安心」の3本柱に力を入れる予算編成とした。
県経済の自律的な成長力を強化する稼ぐ力への投資では1132億円計上した。具体的には航空機の電動化に向けて県内企業が開発する高効率モーターを軸とした研究を進めるため、秋田大学や秋田県立大学に4億2400万円補助する。1月末に国の地方大学・地域産業創生交付金の対象事業に選ばれた。
工場の新増設に伴う企業に対する補助事業には23億8600万円、22年度デビュー予定の新ブランド米の名称公募などには1億2800万円を充てる。このほか製造業のIoT(モノのインターネット)導入、秋田牛やリンゴの輸出拡大に向けた事業も盛り込んだ。
人への投資は357億円を計上した。人口の自然減や社会減に対応し関係人口を増やす事業には1億5100万円を充てる。移住やUターン就職を促すほか、外国人材の受け入れ、若者による地域活性化にも取り組む。健康・安全・安心への投資は1122億円を盛り込んだ。
公共事業費は8.2%増の1015億円。秋田港と秋田自動車道秋田北インターチェンジを結ぶバイバス道路整備を新規事業として計上することや、成瀬ダムの本体工事などが押し上げた。
歳入では海外経済減速に伴う企業業績の悪化を見込み県税が2.1%減の914億円。県債発行額は5.3%増の804億円。財政調整基金など2基金から92億円取り崩し、20年度末の実質基金残高は287億円を見込む。