盗難文化財を捜せ 自治体指定や未指定も対象
文化庁は、盗難被害に遭い所在不明となっている絵画や仏像、刀剣といった文化財に関する情報特設サイトをリニューアルした。都道府県や市町村の指定文化財、未指定の文化財も新たに対象に加え、サイトに掲載。情報提供を呼び掛けることで、早期発見につなげる狙いだ。
掲載された自治体指定の文化財は、3日時点で福島、神奈川、岐阜、三重、香川、熊本6県の計15件。岐阜県高山市の神社から盗まれた江戸時代の僧円空作の神像などが含まれる。未指定の文化財は三重、熊本2県の計5件を載せた。
今後も自治体の申し出に基づき、盗難情報を随時追加する。
一方、国指定の国宝や重要文化財のうち、所在不明となっているのは3日時点で147件。盗難や、所有者死去に伴う紛失などさまざまな原因で所在が分からなくなっており、国宝の刀剣や、歌人藤原定家の日記「明月記」の一部(重要文化財)も含まれる。
特設サイトでは、所在不明の文化財の名称や写真、サイズ、特徴など、発見につながりそうな情報を記載。文化財の種別や所在地で絞り込み検索をすることもできる。
文化庁の担当者は「自治体だけでなく、美術商や収集家が文化財を売買する際にも活用してほしい」と話している。〔共同〕