首相、習氏来日「平和への責任、内外に示す」
参院代表質問
安倍晋三首相は24日の参院本会議の代表質問で日中関係について「日本と中国は地域や世界の平和と繁栄にともに大きな責任を有する」と述べた。春に予定する習近平(シー・ジンピン)国家主席の国賓来日に関し「責任をしっかり果たす意思を内外に明確に示す機会にしたい」と語った。
自民党などには沖縄県尖閣諸島を含む東シナ海問題や中国による日本人の拘束といった懸案を踏まえ、習氏の国賓としての来日に慎重論もある。首相は理解を求めた。
日韓関係を巡り「韓国には国と国との約束を守り、未来志向の両国関係をつくることを切に希望する」と訴えた。元徴用工訴訟問題で韓国側に対応を促した。公明党の山口那津男代表への答弁。
日本維新の会の片山虎之助共同代表は、首相が2021年9月までの自民党総裁任期中に憲法改正を実現するため衆院解散する可能性をただした。首相は「政治を前に進める上で信を問うべきときが来たと考えれば、解散・総選挙を断行することに躊躇(ちゅうちょ)はない」と強調した。
野党は首相主催の「桜を見る会」やカジノを含む統合型リゾート(IR)に絡む汚職事件などで追及を続けた。
首相は桜を見る会について「運用を大いに反省し、私自身の責任で全般的な見直しを行う」と陳謝した。桜を見る会を巡る公文書管理のあり方への批判に関しては「政府を挙げて公文書管理のさらなる徹底の方策を検討する」と述べた。
IRを巡っては「IRの推進は国民的な理解が重要だ」と指摘した。運営事業者を監督するカジノ管理委員会や国会の議論を踏まえ、事業者選定の公平性や透明性を確保する考えを示した。共産党の山下芳生副委員長、国民民主党の大塚耕平代表代行らへの答弁。