東芝、欧州で機関車製造受注 新型電池を搭載
東芝インフラシステムズは23日、ドイツでディーゼル発電とリチウムイオン電池を動力とするハイブリッド機関車50両の製造を受注したと発表した。受注額は200億円程度とみられ、ドイツ鉄道子会社の工場で製造する。同社が欧州で機関車を受注したのは初めて。通常のディーゼル機関車に比べて排出ガスを3割減らせるといい、欧州の環境規制に対応する。
ドイツ鉄道の貨物鉄道子会社から機関車の設計・製造などを受注した。出力は750キロワットで、バッテリーには東芝が開発を進めるリチウムイオン電池「SCiB」を搭載。従来の電池より寿命が長く、ブレーキ時に発生する回生電力を蓄えるのに適しているという。2021年からドイツ国内で製造を開始し、22年から順次納入する。
欧州では二酸化炭素(CO2)削減に向けた環境規制が強化されており、貨物機関車でも低公害車の需要が高まっているという。東芝は国内ではJR貨物向けにハイブリッド機関車を納入した実績があり、国内でのノウハウを海外でも展開する。
東芝は19年度から始めた中期経営計画「東芝ネクストプラン」で鉄道事業を成長事業に位置付けている。海外では台湾と中国を中心に事業を展開しているが、欧州へも注力市場を広げる。
(広井洋一郎)