最優秀2歳馬、関西勢が独占 クラシック主役へ
2019年のJRA賞が7日に発表され、最優秀2歳牡馬はコントレイル(栗東・矢作芳人厩舎)、最優秀2歳牝馬はレシステンシア(同・松下武士厩舎)と、ともに関西馬が選ばれた。年が明けて3歳シーズンを迎えた両馬は、20年のクラシック戦線の主役となりそうだ。
コントレイルは19年9月のデビュー以来3戦3勝。2戦目の東京スポーツ杯2歳ステークス(G3、東京芝1800メートル)では重賞初制覇を飾った。道中は中位を追走。最後の直線に入って末脚を伸ばし、残り400メートル付近で先頭に立つと、後続を突き放した。2着馬には5馬身もの差をつけた。走破タイムの1分44秒5は破格の記録で、2歳馬による日本レコードを更新した。
次のG1、ホープフルステークス(中山芝2000メートル)では先行集団から抜け出して優勝した。2着には1馬身半差と、東京スポーツ杯2歳Sより後続との着差は小さくなったとはいえ、最後は鞍上(あんじょう)の福永祐一が手綱を抑える余裕十分の勝ちっぷりだった。
ホープフルSでは2000メートルの距離がこなせるかが大きな課題だった。父はディープインパクトだが、母は現役時代に短距離で走っていた馬で、コントレイルの兄も姉も短距離を中心に活躍しているためだ。
序盤こそ前に行きたがる面をみせたものの、完勝だった結果からは2000メートルに問題はなさそう。課題は克服したといえる。5月の日本ダービー(G1、東京)の2400メートルに対応できるかは不透明だが、ホープフルSと全く同じ舞台で行われる4月の皐月賞(G1)では優勝候補となる。「いずれは日本を代表する馬になってほしい」と福永が寄せる期待も大きい。
レシステンシアもデビュー以来3戦3勝とまだ敗れていない。19年10月のデビュー戦ではコーナーで外に行きたがる面をみせていたが、そうした欠点も解消しており、レースを重ねるごとに内容が良くなっている。
昨年の2歳女王を決める阪神ジュベナイルフィリーズ(G1、阪神芝1600メートル)は、前半600メートル33秒7という速いペースで逃げながらも最後の直線で後続を突き放し、2着に5馬身差をつける快勝だった。騎乗した北村友一はレース前、精神面が課題と考えていた。だが、「(G1で)お客さんが多い中でもどっしりしていた」。成長を実感したようだ。
レシステンシアも距離延長が課題となるが、少なくとも牝馬の1冠目、4月の桜花賞(G1、阪神芝1600メートル)までは優勝争いの中心となりそうだ。
(関根慶太郎)