波多野藤三郎氏 太閤仕込み、有り金一本に張る
明治から大正にかけて「北浜の太閤さん」と呼ばれた大相場師の松井伊助。松井商店からは多くの逸材を輩出しているが波多野藤三郎もその一人。大きな志を持った人間は日ごろの動作におのずから表れる。太閤さんはそんな男をかわいがる。乾坤一擲の大相場を張る太閤仕込みの波多野の張り方は今も語り草になっている。
「殊遇(特に手厚いもてなし)に感激しての忠勤には熱情がこもる。熱情のこもる仕事に成績の上がらぬ理はない。大正...
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