米天然ガス先物が安値 需要不振と生産増で
米国で天然ガスの先物価格が大幅に下落し、ほぼ3年8カ月ぶりの安値に落ち込んだ。指標となるニューヨーク市場のヘンリーハブ価格は日本時間21日午後の時間外取引で、100万BTU(英国熱量単位)あたり1.9ドル台で推移。この1週間で12%ほど下がった。2ドルを割り込むのは2016年5月以来だ。
現地で気温が比較的高い日が続き、暖房用のガス需要が鈍い。米エネルギー情報局(EIA)によると、19年12月の住宅部門のガス消費は前年同月を2%超下回る。今後も米北東部などで暖冬傾向が続くとの予報が出ており、投機筋の売り圧力が強まった。
供給は潤沢だ。昨年12月のガス生産量は前年同月比で7%強増えた。シェールガスの増産が続いていることが背景。需要不振と生産拡大が重なったことで今月10日時点の在庫水準は過去5年平均を5%ほど上回っており、余剰感が意識されている。
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