北海道ガスがエネルギー最適化、新札幌で
北海道ガスは21日、JR新札幌駅周辺再開発におけるエネルギー供給事業の概要を公表した。人工知能(AI)を活用してエネルギーを需給両面から効率化するほか、複数の電源をまとめて管理する「仮想発電所」(VPP)の実証にも取り組む。2500キロワットのコージェネレーション(熱電併給)システムを備え、2021年度にも試運転を始める。
新札幌駅周辺の再開発は大和ハウス工業の主導で19年に着工した。北ガスは駅東側のI街区(3.9ヘクタール)でCEMS(地域エネルギー管理システム)を導入する。
CEMSはエネルギーの使用状況を1拠点で一括管理する仕組み。今回はセンターから医療機関や商業施設、ホテルなどに電力や温水を供給する。電力供給量の6割をコージェネでまかない、二酸化炭素(CO2)排出量を35%減らす。医療施設は22年7月、他は23年中に町開きする。
北ガスは既に札幌市の北4東6地区にCEMSを導入しているが、新札幌地区はAIを導入して需要予測の精度や需要側への働きかけを強める。気温が上昇した場合に共用部の温度を下げたり、居住者の声を空調機器の制御にその場で反映したりできる。前谷浩樹取締役は「新札幌を機に、デジタル技術をうまく使ったVPPの活用も進めていきたい」と話した。