中国電力、31年3月期に経常益600億円 長期計画を発表
中国電力は21日、2031年3月期に連結経常利益を今期予想比1.7倍の600億円超とする長期経営計画を発表した。審査中の島根原子力発電所2、3号機(松江市)の稼働を前提に、老朽化した火力発電所と置き換えることで発電コストを引き下げる。スポット市場や発電能力に価値を認めて取引をする容量市場などを通して、営業エリア外での販売電力量の拡大も目指す。
同経営計画では島根原発2、3号機に加え、建設中の三隅石炭火力発電所2号機(島根県浜田市、出力100万キロワット)の稼働を前提としている。建設計画中の上関原発(山口県上関町)は含んでいない。
中国電は建設から40年たつ火力発電所が23年ごろに約500万キロワット分と、火力発電全体の5割に達する見込みだ。老朽化した火力発電は発電効率が低く、設備の維持コストもかさむ。原発の再稼働に伴う火力発電所のスクラップ・アンド・ビルドを進めることで、発電効率の向上やコスト低減につなげる狙いだ。
清水希茂社長は中国地方での電力需要は減少傾向が続くとしつつも、「電力業界を取り巻く新市場が今後も立ち上がろうとしている。域外での拡販につなげたい」と話した。海外での発電事業や、現在検討中の新規事業などでの利益上積みも目指す。