クイーン×ITで名曲が進化 ソニー、3月まで展示
ソニーは21日、英ロックバンド「クイーン」の名曲を最新テクノロジーを使って楽しめるイベント展示を報道陣向けに公開した。空間音響や映像技術を使って、クイーンの演奏の新たな楽しみ方を提案する。エンターテインメントの領域に導入して最新技術に磨きをかける。
「QUEEN IN THE PARK」はクイーンが1月、4年ぶりに来日公演するのに合わせ、銀座ソニーパーク(東京・中央)で22日から3月15日まで開く。
同施設は1階の地上部から地下に降りていく構造。入り口の階段を下ると「ズン・ズン・チャッ」と音が鳴る。リズミカルに降りると、クイーンの楽曲「We will Rock You」のイントロを奏でられる。
地下1階に降りると、ボーカルのフレディ・マーキュリーの衣装を着た犬型ロボット「aibo」がお出迎えする。ソニー製の70台のラジオが一斉に「RADIO GA GA」を流すエリアも設けた。
地下2階に設けたトンネル型のブースに入ると、名曲「Bohemian Rhapsody」が流れる。384個のスピーカーが設置され、ボーカルやコーラス、ギターやベースなど音が360度の方向から立体的に聞こえる。まるで音が自分の周囲を飛び回るような没入感のある体験ができた。
同楽曲のミュージックビデオに自分の顔を入れ込める映像コーナーもある。クイーンのメンバーと一緒にコーラスをしている気分になれる。そのほか、影の上に映像を映し出す技術を使った展示もある。
一通り展示を楽しむと、クイーンの楽曲を歌いたくなる。そこで、「We Are The Champions」を人目を気にせず熱唱できる一人カラオケボックスを設けた。マイクスタンドも用意されており、フレディになりきれる。
同イベント展示を主催するソニー企業(東京・中央)の永野大輔社長は「世界を魅了したクイーンの楽曲を聴くだけでなく、曲の世界に入り込むといった新たな音楽体験を生み出したい」と話した。
ソニーは2018年にクイーンなどの著作権を持つ米EMIミュージックパブリッシングを約2600億円で完全子会社化した。エンターテインメント事業では知的財産(IP)を有効活用した事業の拡大を進めている。最先端の音響や映像の技術を組み合わせて、新たなエンタメ市場を創出する狙いもある。
(広井洋一郎)