藤田庸右氏 思惑相場で起死回生
小豆など雑穀相場が投機市場で賑わっていた昭和40年代の出来事である。藤田庸右が事実上の経営トップであった商品取引業の株式会社藤忠が経営危機に陥る。兄の晋が大亡豆相場で起死回生を図る作戦に出た。銀行出身の晋にすれば思い切った手を打ったものだ。産地北海道の天候不順→凶作で60キロ3000円台の大手亡豆が5000円台を突破し、8000円台にまで暴騰する。晋の作戦はものの見事に成功したかに見えた。
「だが、...
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