首相、日米安保条約は「不動の柱」 署名60周年で式典
安倍晋三首相は19日、現行の日米安全保障条約署名60周年を記念する式典に出席した。日米安保条約に関し「今やいつの時代にもまして不滅の柱。アジアとインド太平洋、世界の平和を守り、繁栄を保証する不動の柱だ」と述べた。「60年、100年先まで日米同盟を堅牢(けんろう)に守り、強くしていこう」とも呼びかけた。
首相は「宇宙、サイバースペースの安全や平和を守る柱として、同盟を充実させる責任がある」と強調し、新たな課題に対処するため同盟関係の拡充をめざす考えを示した。日米同盟を「希望の同盟」と表現し「歩むべき道はただ一筋。その希望の光をもっと輝かせることだ」と語った。
トランプ米大統領は記念式典に先立ち、18日に声明を発表し「安全保障環境が変わり新たな課題が出てくるのに伴い、同盟をさらに強化し深化させることが不可欠だ」と訴えた。「日本の貢献の拡大と同盟の発展が続くことを確信している」との期待感も示した。
19日に都内で開いた記念式典には日本側から麻生太郎副総理・財務相や茂木敏充外相、河野太郎防衛相らが出席した。米側からはヤング駐日臨時代理大使やシュナイダー在日米軍司令官らのほか、条約署名時に大統領だったアイゼンハワー氏の孫らも参加した。
現行の日米安保条約は1960年1月19日に、首相の祖父である当時の岸信介首相とアイゼンハワー氏のもとで結んだ。岸氏とハーター国務長官らが署名し、51年に結ばれた旧条約を全面改定した。
首相は19日の記念式典で「岸は日本の首相として米大統領とゴルフをした最初の人物だった。2番目は私だ。アイゼンハワーと岸が培った友情は新しい安保条約となって実を結んだ」と振り返った。