印IT大手4社の10~12月期 北米事業で明暗
【ムンバイ=早川麗】インドIT(情報技術)サービス大手4社の2019年10~12月期決算が17日出そろった。主力市場の北米で売り上げを大きく伸ばした業界2位のインフォシスと同3位のHCLテクノロジーズの2社が2桁増益となった。一方、北米での伸びが低調だった2社は利益面で苦戦し米市場での動向が明暗を分けた格好だ。
HCLが17日発表した決算は、売上高が16%増の25億4300万ドル(約2770億円)、純利益が17%増の4億2600万ドルだった。米国を拠点とする世界的な金融サービス会社などから受注したほか、19年7~9月期に米IBMからの事業買収が完了したのが収益を押し上げた。売上高全体の6割を占める北米で13%、3割弱を占める欧州でも21%の増収となった。
インフォシスも北米で10%増収と受注を伸ばし、売上高全体で9%増となった。新規採用で人件費などが増えたが吸収し、25%の増益となった。
一方、最大手タタ・コンサルタンシー・サービシズ(TCS)の純利益は11億3800万ドル(約1240億円)と前年同期比横ばいだった。売上高の伸び率を地域別に見ると、欧州が16%増とけん引したものの、北米は4%増にとどまった。ただTCSのラジェシュ・ゴピナサン最高経営責任者(CEO)は「この四半期に北米で多くの新規顧客を獲得した」と述べ、今後の成長に期待を示した。