ASEAN、3月に米と首脳会議検討 外相会議声明
【ニャチャン(ベトナム南部)=大西智也】東南アジア諸国連合(ASEAN)は17日、ニャチャンでの外相会議の閉幕後に議長報道声明を公表し、3月に米国との特別首脳会議の開催を検討していると明かした。南シナ海で軍事拠点を築く中国への対応などを協議するとみられる。声明は南シナ海について「(周辺国の)正当な権益と主権」が重要だと主張。2019年7月にバンコクで開いた前回会議の議長声明を基本的に踏襲し、新たに「主権」を加えた。
ASEANの20年の議長国ベトナムは南シナ海で中国と直接、領有権を争っている。19年の議長国タイに比べ対中姿勢は厳しいとみられている。
ベトナムのミン外相は17日の記者会見で南シナ海で紛争を防ぐための「行動規範」の作成を巡る中国側との交渉が「難しくなっている」と話した。ミン氏は日中韓やASEAN加盟10カ国など16カ国で交渉する東アジア地域包括的経済連携(RCEP)に関して「(離脱の可能性を表明した)インドを含めた16カ国が今年中に調印できることが最善だ」と話した。