3月14日に常磐線全線復旧 福島3町の避難解除も決定
JR東日本は17日、東京電力福島第1原子力発電所事故により福島県内で不通が続いている常磐線の富岡―浪江間(約20.8キロ)の運行を3月14日に再開すると発表した。約9年ぶりの全線復旧となる。復旧区間では普通列車が1日11往復するほか、品川・上野―仙台間を直通する特急「ひたち」を3往復させ、地元住民の足となると期待される。
政府の原子力災害対策本部会議は17日、全町避難が続く双葉町の双葉駅周辺などの避難指示を3月4日午前0時に解除することを正式決定した。大熊町の大野駅周辺を同5日午前0時に、富岡町の夜ノ森駅周辺を同10日午前6時に解除することも決まった。
「ひたち」は双葉駅、大野駅にも停車する。JRは駅舎や線路の復旧、除染が完了したことを受け、2019年12月に試運転を始めていた。
安倍晋三首相は会議で、東京五輪の聖火リレーが3月26日に福島県から始まることに触れ「(常磐線復旧で)交通の利便性が一層向上するので、観光を含めて多くの人にこの地域を訪れてほしい。福島の復興を大きく加速するきっかけとしたい」と述べた。
双葉町での避難解除は初めてで、福島県に残る原則立ち入り禁止の「帰還困難区域」としても初となる。解除後直ちに住民帰還が進むわけではなく、町は22年春ごろまでに住民の居住再開を目指している。〔共同〕