米高官「中国はサイバー攻撃停止を」 第2段階で協議
【ワシントン=鳳山太成】ナバロ米大統領補佐官(通商担当)は16日、「中国政府が米国企業から企業秘密を盗むためにハッキングを続けているのは狂っている」と不満を述べ、第2段階の対中貿易協議でサイバー攻撃の停止を求める考えを明らかにした。第1段階合意で未解決の問題として、過剰な産業補助金などとあわせて中国に引き続き是正を促す構えだ。
米政権で対中強硬派の筆頭格と呼ばれる同氏が、米CNBCテレビのインタビューで答えた。中国がオバマ前政権下の2015年にサイバー攻撃をやめると約束したにもかかわらず続いているとし「米国企業に非常に有害だ」と断じた。
15日に署名した第1段階合意で積み残した課題としてサイバー攻撃や補助金のほか、国有企業の優遇策、中毒性の高い医療用麻薬「フェンタニル」の密輸を挙げた。トランプ米大統領は速やかに第2段階の協議を始めるとしているが、具体的な予定は決まっていない。
トランプ氏は16日に第1段階合意を改めて自賛したが、中国の構造問題を先送りしたことへの懸念も根強い。対中強硬派で野党・民主党の上院トップ、シューマー院内総務は「中国のサイバー攻撃や補助金に対処しておらず、今後も米国の労働者や企業を傷つけるものだ」とトランプ氏を厳しく批判している。