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球界に女性進出の波 野球繁栄へ性別は関係なく

スポーツライター 浜田昭八

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政財界をはじめ各界への女性進出が目ざましいが、典型的な男性社会だったプロ野球にもその波が押し寄せている。オリックスがこのほど球界初の女性スカウト登用を決めた。球団事業運営部の乾絵美氏(36)を、球団編成部アマチュアスカウトグループへ異動させたのだ。

乾氏は2008年北京五輪・女子ソフトボールに捕手で出場した金メダリスト。10年にオリックス入りし、チームのPRや野球普及に携わってきた。野球をよく理解しているし、アマ球界に人脈は豊富で、情報も多く持ち合わせている。家族を含めて選手の入団後のケアに心を配るキメ細かさもあって、球団の期待は大きい。

4月には、西武が球団公認の女子アマ硬式野球チームを発足、全面的に支援する。チーム名は「埼玉西武ライオンズ・レディース」で、ライオンズと同じユニホームを着用。関東女子の「ヴィーナスリーグ」に参戦を決めている。これまでにも巨人が女子リーグ戦を支援し、楽天が女子クラブチームにコーチを派遣するなどしている。営利的な損得を別にして、グラウンド内外で女性を"取り込む"動きが、ますます活発になるだろう。

1リーグ時代から数えて100年近い歴史を有する日本のプロ野球だが、長い間「男の世界」だった。ユニホーム組はもちろん、試合を管理、運営するのも男性。観客もほとんど男性で、スタンドはダーク、夏は白一色に覆われていた。「うぐいす嬢」と呼ばれた場内アナウンサーの声が、わずかに女性を感じさせるだけだった。

取材陣も男の世界だった。1950年代のネット裏に、女性記者はまれに1人か2人が姿を見せるだけだった。それが、64年の前回の東京五輪を前にして新聞、放送各社ともに女性スポーツ記者、リポーターを多く使うようになり、ネット裏も次第に華やいできた。

甲子園お立ち台に女性監督が立つ日も

球界の中枢へ女性が進出するのには、少し時間がかかった。98年に元新聞記者の高原須美子氏がセ・リーグ会長に就任した。男性とは違う視点での球界改革が期待されたが、健康を害して惜しくも早々に退陣した。2015年にはDeNAの南場智子氏が球界初の女性オーナーになった。競争が激しい業界を駆け登ってきた経営者の、ざん新なアイデアと手腕は、球界の内外から注目されている。

女性客が多い飲食店はおいしいものを出すし、値段はリーズナブルとよくいわれる。乏しい経験で判断しても、確かにそうだと思う。ただ、女性というだけで好奇の目で眺め、過剰に期待したり、おとしめたりすることはないだろう。球界もマスメディアも、このことでは試行錯誤してきた。

プロではないが、95年夏の高校野球甲子園大会に出た福岡・柳川高に初めて女性野球部長が登場したときの騒ぎ。同年の東京六大学野球リーグ戦で、明大が米国人女性のハーラー投手を東大戦に先発起用したときの関係者の戸惑いと大騒ぎ。当時は事態を冷静に受け止める余裕が、だれにもほとんどなかった。

その後、春夏の甲子園大会に女子部員がスコアラーでベンチ入りするなど、女性の球界への進出は盛んになる一方だ。甲子園にはまだ登場していないが、地方大会出場校の中には、女性コーチもちらほらと姿を見せている。甲子園の監督インタビューのお立ち台に女性監督が立つのも遠い日ではなさそうだ。

報道が情緒的話題に流れる傾向を懸念

プロ、アマ野球ともに、取材陣に女性が桁外れに増えた。監督、選手を囲む記者、リポーターの輪はラッシュアワーの電車並みの混雑。女性取材陣の体に触れてセクハラのあらぬ疑いをかけられぬかと神経を使う。それは別として、メディアが送り出す記事、リポートに、情緒的な興味をそそるものが多くなってきたのが少し気にかかる。

野球の楽しみ方は十人十色。競技としての面白さを求めるのも、人間的なエピソードを楽しむのも自由だろう。それは理解できるが、野球に限らず、どの競技についても報道はプレーそのものを伝えるより、情緒的話題に流れる傾向があるような気がしてならない。読者、視聴者がそれを望んでいるからと、報道の受け手のせいにするのはお門違い。メディアすべてがスポーツ報道の方向を誤らぬよう、慎重に考えるべき問題だと自戒する。

父と息子、祖父と孫の男児がスタンドに並んで観戦し、野球人気を支えてきた。今では母と娘、祖母と孫娘が声を張り上げ、スタンドはカラフルになった。人気低下が気遣われているが、まだまだ捨てたものではない。スカウトや球界リーダーの性別は問題でないだろう。いい選手をとり、いいゲームを見せて、バランスのいい報道をすることこそ繁栄への道ではないだろうか。

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